Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.24
Aug 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第24号

ポスターセッション
調査・研究1
司会・報告 : 久留米大学病院緩和ケアセンター  福重 哲志
 ポスターセッション「調査・研究1」の司会を担当した。広島赤十字・原爆病院呼吸器科大橋氏らは同病院で肺癌で死亡した患者の実態についてレトロスペクティブに検討した結果を発表された。積極的治療から緩和的治療への移行の困難性、最終段階でせん妄などの精神症状を示す患者が多いなどの問題を明確にし、全人的治療を行ないうる緩和ケアチームの必要性を述べられた。順天堂大学医学部付属順天堂医院緩和ケアセンターの山口氏らは同医院の医師に対して行なった緩和医療に関するアンケート調査の結果を考察して発表された。その結果、緩和医療に対しての知識技術不足を認識している医師が多いこと、緩和ケア病棟の必要性は認めるものの利用患者は悪性腫瘍患者に限定すべきではない、緩和ケア病棟は末期がん患者に限らずいかなる病期でも苦痛症状を軽減する目的で使用されるべきである等の意見が多く認められた。大阪府済生会中津病院口腔外科 瀧田氏らは口腔癌患者の診療を見学した歯科衛生士臨床実習生のレポートから知識として把握している緩和ケアにおける口腔ケアの重要性を実際の患者を見学するという体験で実感できたという報告がなされた。労働福祉事業団関西労災病院看護部の杉本氏らは急性期病院での終末期医療に関する地域医療連携について述べられた。訪問看護部を中心として終末期医療に関するシステムを院内に構築することと地域の医療施設との連携で在宅療養も含めた継続した緩和ケアを行なっていることを報告された。国立病院大阪医療センター外科の竹野氏らは、地域における緩和医療ネットワーク構築にさきがけ地域開業医に在宅医療に関するアンケート調査を行いその結果を発表された。病院に入院している時点からの在宅医との連携、退院後も病院・在宅医相互の連携継続の重要性が述べられた。岡山済生会総合病院緩和ケア科の石原氏らは緩和ケア病棟における病理解剖の意義について述べられた。緩和ケア病棟で積極的に病理解剖を行うことは病態生理を深く理解し緩和ケアに役立たせることができると報告された。これに対して参加者から緩和ケア病棟での病理解剖の結果を全国的に調査することにより、例えば終末期における輸液量の問題を客観的に評価しうる研究ができるのではないかという意見が出された。

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