Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.24
Aug 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第24号

ポスターセッション
治療1
司会・報告 : 福島県立医科大学外科学第二講座  関川 浩司
 治療1(P2-68〜73、P2-76)を担当した。このセッションは終末期における症状緩和目的の手術の適応や各種治療法の工夫などがテーマであった。これらは臨床の現場においてご本人はもちろんご家族そして主治医を常に悩ませる問題でもある。P2-68札幌社会保険総合病院の中島氏、P2-69市立秋田総合病院の橋爪氏、P2-70関西労災病院の中田氏からの3演題はいずれも終末期における緩和手術の適応の問題が主題であった。これは実施者としての外科医を常に悩ませる問題でもあり、それぞれのケースで苦渋の選択をする場合が多い。その手術適応としてはこれまで種々報告されているが今回中島氏はPPS(Palliative Performance Status)やPPI(Palliative Prognostic Index)などの尺度を用い、これまで終末期に施行した手術患者にこれらをあてはめる事により、より客観的な手術選択基準を得る試みの発表であった。今後終末期において緩和手術を選択する際の指標の一つとして期待できる。一方ではこの種の検討の際には医療者側の視点だけではなく、術前の患者のself decisionがどの位置を占めていたか、また術後の患者(家族)の満足度調査などについても今後検討されたらと思う。P2-71岐阜市民病院の石黒氏は腫瘍による気管支狭窄(閉塞)に対する治療法、P2-72,P2-76の兵庫県立成人病センターの浜中氏は転移性骨病変の除痛に対する新しい治療法としてのセメント注入術やラジオ波焼灼療法について、P2-73斗南病院の住吉氏はPTEG(経皮経食道胃管挿入術)の終末期患者への応用に関する発表であった。これらはいずれも終末期患者のQOLを最期の時までいかに維持するかを考え、いろいろな分野での治療法を模索するものである。すなわちたとえ終末期に入っても場合によっては積極的な治療法を放棄する事なく症状緩和をめざす事は緩和医療学の本質でもあり、今後も低侵襲でかつ有効なこれらの治療法のさらなる発展を願う次第である。医療器具の開発、技術の進歩によりますます終末期医療に対する考え方が時代とともに変化するであろう。このため我々は常に新しい知識・技術について本学会などを通じて学んでいく必要がある事があらためて感じさせられたセッションであった。

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