Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.24
Aug 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第24号

ポスターセッション
リハビリテーション1
司会・報告 : 旭川リハビリテーション病院  進藤 順哉
 日本のリハビリテーション医学の発展が、欧米諸国より出遅れたと言われている理由の一つにエビデンスの積み重ねの研究をよそに、患者のQOLやモチベーションの事にとらわれ過ぎた反省がある。緩和医療におけるリハビリテーションも科学としての研究の積み重ねが重要で、指導者のミスリードは許されないのは自明の理です。今回、全体的には研究デザインの問題、リハ専門医の指導不足を強く感じた。緒方先生の「緩和ケア病棟における作業療法の役割」は精神的なサポートニーズの必要性は理解出来るが、すでに米国の緩和医療の教科書に、OT=Activity(陶芸、手芸など)ではないと記載されている。特異性をもったOTリハ介入を追求していただきたい。古川先生の「理学療法の緩和ケア患者のQOL向上効果」はPCUでのリハの効果を示した興味深い研究である。今後の指導、研究を期待したい。中村先生の「週末期がん患者の倦怠感に対する足浴フットマッサージの有効性に関する研究」はいわゆる「リフレクソロジー」のEBMグレードは「行なうことを考慮しても良いが、充分な科学的根拠がない」といわれている。生理的快感が倦怠感の軽減とは断定できず、さらなる検証が必要であろう。栗田先生の「がん患者リンパ浮腫への取り組み」は興味深い研究である。現在ではリンパ浮腫対策は、マッサージだけでなく複合的物理疎泄療法が主流です。さらなる研究を期待する。渡邊先生の「肺がんの開胸手術後患者の肩の痛みに対して、手術直後からのマッサージ介入による有効性について」肩の痛みが軽減する機序、術直後と術後一日とで有意差があるのはなぜだろうか。今後の分析に期待する。安部先生の「体動困難性疼痛におけるリハビリテーション介入の効果」は興味深い研究である。フロアからの質問に対しリハ介入をスピリチャアルの問題と答えたが、リハ介入はあくまでもリハ医学のEBMに基づくべきであろう。さらに体動困難性疼痛は医学用語ではないので用語表現に注意を要す。

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