Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.24
Aug 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第24号

ポスターセッション
事例報告2
司会・報告 : 松山ベテル病院 ホスピス  中橋 恒
 ポスターセッションP1-127〜132の6演題はすべて事例報告でした。
演題127は千葉県がんセンターから死亡診断書記載をめぐっての事例紹介で、大変示唆に富む貴重な報告でした。“死は誰のものか”というホスピス・緩和ケアが求める究極の問題について、法律的な制度の中で死の決定を下す医師が人として患者にどう関わって行くべきなのかを問いかけている発表であったと思います。本発表をされた演者の勇気に敬意を表し、広く皆様で議論していただきたい問題であると思いました。白熱した議論が展開され、ポスターセッションという短い時間枠の中で議論するにはもったいない演題であったと感じました。
 演題128は江別市立病院からの非常に稀な心臓悪性腫瘍の骨転移症例の発表でしたが、文献考察があれば良かったように思われました。
 演題129は金沢西病院からの発表で、終末期の摂食不能な患者への栄養管理と口から食べたいという欲求を満たす安全な方法として興味ある発表でした。終末期におけるTPNについて今後の課題として是非検討していただきたいと思いました。
 演題130,131,132は三沢市立三沢病院、大和市立病院、旭川赤十字病院からの発表で、患者の自己決定を大切にし、チームとしてその決定を支え、その人らしく生きてゆくことを支援できた有用な発表でした。
 事例報告は、その個別性の故に普遍性を引きだすことが難しい研究方法ですが、緩和ケアの求めるところは患者の個別性にいかに全人的に対応するかというところに尽きるわけで、個々の事例の検討の中にこそ普遍性へのカギが潜んでいるものと思っています。ポスターセッションは事例報告にあった発表方法であると感じました。これらの症例の集積によって普遍的部分を抽出し個々の事例に還元する研究へと繋ぐことができるよう様、演者の次なる研究を楽しみにして本セッションを終了いたしました。

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