Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.24
Aug 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第24号

ポスターセッション
化学療法2
司会・報告 : 旭川赤十字病院 血液腫瘍内科部長  幸田 久平
 6月17日の化学療法2のセッションでは、緩和的化学療法や外来化学療法に関する演題が6題発表された。
 帝京大学外科の野澤氏は、自験例の再発大腸癌のうち外来でfirst lineからsecondあるいはthird lineまでの化学療法を約2年から4年間にわたって継続しえた5例を呈示され、外来での化学療法と患者とのコミュニケーションがQOLの向上に重要であると述べられた。
 大阪医大内科の山上氏は、大学病院一般病棟からPCUに転院した17例を分析し、PCU転院後の生存期間の平均は17.5日と標準的であったものの、在院日数7日以下と短い患者が6人いたことから、今後より早い時期にPCU見学などを実施し、より適切な時期にPCUを紹介したいと述べられた。
 神戸朝日病院看護部の池本氏は、外来化学療法における治療環境についてのアンケート調査を行い、ベッドの工夫や待ち時間の短縮などの工夫について述べられた。
 国立近畿中央病院診療内科の所氏は、肺癌患者20名を対象として、外来化学療法への移行における準備段階の評価と移行を阻害する要因、促進する要因を行動科学の手法を用いて検討し、今回の学会の優秀演題に選定された。
 大和市立病院外科の首藤氏は、種々の治療に抵抗性となった再発乳癌5例にXelodaを投与し、3例に痛みの改善と腫瘍マーカーの低がみられたことから、Xelodaの緩和的化学療法剤としての意義について述べられた。
 シムラ病院外科の岩田氏は、いわゆる末期癌とされた患者多数に化学療法を施行し、その約3割近くに延命効果や症状緩和効果があったと述べられた。
 セッション全体を通して、化学療法に習熟した医師の間では緩和的化学療法の意義が広く認識されつつあるように感じられたが、問題はいつまでやるのか、どのような症例にどのような化学療法が適当なのかエビデンスに基づいた知見の蓄積が待たれるところである。

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