Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.24
Aug 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第24号

ポスターセッション
化学療法1
司会・報告 : 国際医療福祉大学オンコロジーセンター  渡辺 亨
 6演題中、3演題がゲフィチニブに関するものである。演題P1-73(松江市民病院麻酔科、安部睦美先生)は骨転移を伴う非小細胞肺癌症例報告。PS4、抗癌剤の適応なく骨転移に伴う疼痛管理のために麻酔科に紹介され、呼吸器科と相談しつつゲフィチニブ投与開始。症状軽減、PS改善が得られ外来通院治療が可能となったと緩和医療としてのゲフィチニブの有用性を報告した。ゲフィチニブは抗癌剤使用済み非小細胞肺癌症例のセカンドラインとしての位置づけであるが、PS悪く抗癌剤治療の適応のない症例でもゲフィチニブ使用を検討してもいいのではないかという提案を含む興味深い演題である。演題P1-74(戸田中央病院緩和医療科、柳沢 博先生)ではゲフィチニブの投与を行ったケースシリーズ報告である。演者は、ゲフィチニブの投与開始は腫瘍内科医が行うべきであるが維持はホスピスケアの一環として捉える必要があると考察した。演題P1-75(今給黎総合病院呼吸器科、金澤裕信先生)は、ゲフィチニブ投与中に肺病変の増悪、CEA値の増加が認められたため抗癌剤抗癌剤治療に変更したが増悪、患者の強い希望によりゲフィチニブを再開したところ再度、腫瘍縮小が認められた症例を報告した。腫瘍内科学的に見るとゲフィチニブの再投与に伴って再度、腫瘍縮小効果が得られたという事実と、そのメカニズムには興味のあるところである。緩和医療の観点からみるといつまでゲフィチニブを継続するのが適切か、という問題が提起される。症例によっては確実な症状緩和効果が得られ長期間の内服を必要とするゲフィチニブの処方開始は初期に現れる間質性肺炎などの問題もあり臨床経験のある腫瘍内科医が行うべきであるが、効果が現れ維持相に入ったら緩和医療に携わる医師が処方することもあるだろう。乳癌におけるハーセプチン、悪性リンパ腫におけるリツキサン、骨転移におけるアレディアでも同様な問題がある。また、緩和ケア病院では包括医療の問題もあり、がんに対する積極治療は一切行わないとしているところもあるが、多くのがんにおいて、モノクローナル抗体、分子標的薬剤が治療に導入されており、今後はホスピスでの癌治療もあり、ということになるだろう。

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