Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.24
Aug 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第24号

ポスターセッション
副作用2
司会・報告 : 函館赤十字病院  赤沢 修吾
 当セッションは6月17日(木)17:00より18:00まで行われた。学会初日であったが、終了時間間際にしては多くの会員が議論に参加していたのは他学会であまりみられない光景であり、本学会員の熱心さが伺われた。演者は歯科医師、看護師、歯科衛生士、精神科医と多岐にわたっており、会員の幅の広さに驚かされる。今さらながら緩和医療は多種の分野の集学的研究により完成されていくべきであると思い知らされるところである。
 研究内容では、杉政和氏、大久保和美氏は終末期患者の口腔内ケアについて講演され、その一致点は口腔内の湿潤を保つことが最も重要であると述べられていた。杉氏はキシリトールが有用な薬剤であると強調されていた。大久保氏は歯科衛生士として口腔内ケアの方法について述べられたが、そのきめ細やかさに強い印象をうけた。後藤慶次氏はモルヒネ製剤の体動時の吐気・嘔吐に対しジフェンヒドラミン(トラベルミン)が有用であった2症例を示されたが、今後症例を重ねて真に有効であることを証明されることを期待したい。
 木村安貴氏は外来化学療法時に「味覚変化」、「食欲不振」、「便秘」が高頻度に出現することを指摘し、それに対する食事のセルフケア指導が重要であることを述べられた。茂野健司氏は抗がん剤誘起性吃逆に対し、柿てい煎剤の有効性を述べられていた。柿てい煎剤は吃逆に有用であることは以前より知られていたが、より科学的に実証していた。今後はその作用機序を明らかにしていくことが重要と考えられた。大西秀樹氏は、終末期がん患者のせん妄の出現にビタミンB1欠乏が関与する症例があることを示された。B1欠乏がどの程度の頻度でせん妄に関与するかは今後の課題ではあるが、大変興味をひかれたところである。以上、小生の担当セッションをまとめてみたが、本学会は回数を重ねる毎に、実践的で、すぐ応用できる演題が増えてきており、それだけに本学会に期待するところが大きいと感じられた。

Close