Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.24
Aug 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第24号

ポスターセッション
鎮痛2
司会・報告 : 北里大学医学部麻酔科  外 須美夫
フェンタニル貼付薬であるデュロテップパッチの臨床使用に関する演題がこのセッションでも複数を占めた。デュロテップパッチが国内で販売されて二年が経過し、がん疼痛治療に本貼付薬が積極的に使用されるようになっている医療現場の拡がりを反映しているように見受けられた。デュロテップパッチ使用に関する有用性や臨床的問題点や副作用、モルヒネからデュロテップパッチへの変更時の換算比率に関する話題などが緩和ケアチームの医師や薬剤師から発表された。さらに、オピオイドによって効果の得にくい神経因性疼痛に対する鎮痛法としてケタミンやギャバペンチンの臨床使用経験が発表された。
 さいたま市立病院緩和ケアチームの横井氏は、モルヒネからデュロテップパッチへの変更により嘔気が改善すること、換算比が45-60:1であったことを示した。また、鎮痛不十分な場合の長期持続硬膜外ブロックの有効例を紹介した。藤田保健衛生大学医学部外科学の村井氏はデュロテップパッチの使用上の問題点を挙げ、疼痛管理における具体的な解決策をいくつか提示した。医療法人白十字会佐世保中央病院薬剤科の吉岡氏は、モルヒネからデュロテップパッチへの変更に伴う鎮痛状況、副作用の軽減状況、問題点を薬剤師の立場から分析した。聖隷三方原病院ホスピスの鄭氏は、癌に伴う神経因性疼痛に対してギャバペンチンが有効であった症例を紹介した。国内では発売されていないギャバペンチンを患者の個人輸入という形で使用していた。長崎大学医学部・歯学部付属病院麻酔科の金出氏は、オピオイド抵抗性の体動時痛に対してケタミンが有効であった症例を報告した。琉球大学医学部附属病院総合診療センター緩和ケア部門の笹良氏は、体動困難ながん患者の緩和ケアを検討し、ケタミンを含めた鎮痛補助薬、脊椎転移への経皮的椎体形成術などさまざまなアプローチを組み合わせることの重要性や看護ケアの工夫の必要性を述べた。
 医師、薬剤師、看護師らがポスター会場に溢れ、他学会にない熱気を感じた。がん性疼痛に対する鎮痛法に臨床の現場で多くのひとが悩んでいる姿とよりよい方法を探ろうと真摯に取り組んでいる医療者の姿がそこにあった。

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