Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.24
Aug 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第24号

ランチョンセミナー3
緩和医療における光線療法の役割
演者 : 要町病院  吉澤 明孝
司会・報告 : 日本大学  小川 節郎
 光線療法とは低反応レベルレーザー光、直線偏光近赤外線、キセノン光などを用いた光線照射療法であり、臨床の場ではすでにペインクリニック領域、整形外科・リハビリテーション領域、皮膚科領域など幅広い分野で用いられている。その作用機序については、血管拡張作用、細径神経線維の脱分極遮断作用、筋弛緩作用、抗炎症作用、そして光生体活性化作用などが確認されている。
 緩和医療と光線療法の組み合わせは一見奇異に感じられると思われるが、緩和医療の現場において行われている様々な緩和ケアにおいて、その活動の場は想像以上に大きい。すなわち、長期臥床による関節硬縮や筋緊張の緩和、循環障害の改善、皮膚潰瘍の治療など、応用範囲は広い。
 本法の利点は、患者にまったく苦痛を与えない方法であること、副作用が皆無といってよいほど少ないこと、患者自身や家族が病室で行える方法であることなどである。一方、欠点としては効果の発現がゆっくりであることが多いこと、機器が100−200万円台と高価なこと、そして保険点数が35点と低いことなどがある。
 吉澤明孝氏は上記のような適応のほか、特に放射線療法・化学療法による口腔粘膜炎の予防や治療に対する光線療法の有用性を自身の経験と下記にあげた海外の文献を元に紹介した。
 会場からは多くの質問があり、光線療法が今後さらに緩和医療の現場で活用されることが期待された。

口腔粘膜障害に対する光線療法の有用性に関する文献
1) Nguyen TD, et al : Support Care Cancer 7 : 244-252, 1999
2) Barasch D, et al : Cancer 76 : 2550-2556, 1995
3) Cowen D, et al : Int J Radiat Oncol Biol Phys 38 : 697-703,1997

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