Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.24
Aug 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第24号

理事長就任のごあいさつ
東海大学医学部内科学系呼吸器内科、オンコロジーセンター  江口 研二
 このたび、前理事長、平賀一陽先生の突然の御退任表明のあと、日本緩和医療学会の新理事長に任ぜられました。
1996年7月に札幌で第1回学術集会を行った日本緩和医療学会は、初代会長柏木哲夫先生と28名の呼びかけ人により評議員150名、正会員1000名という規模でスタートしました。当時掲げた本学会の目的は、「がん患者の全経過を対象として、Palliative Medicine の専門的発展のための学際的、学問的研究を促進し、結果を医学教育と臨床医学とに反映させること」でした。
 その後の本学会の発展は、目を見張るものがあり、現在の会員数は、総計2800名を超え、当初には予想もつかなかった様な大きな所帯に拡大してきています。これもひとえに会員の方々の努力の賜物であり、また社会のニーズでもあると考えます。
 しかしこれだけの大きな学会が、本来の学会としての役割を果たしていくためには、従来の活動形態をそのまま踏襲していては、なしえないものと考えます。本学会の特色は、単に専門単科の医師の団体ではなく、各診療科、各職種からなる力を結集しうることです。共通の医療問題を横断的なパワーで解決するような潜在能力を持った学会として、有効に機能していくべきであると考えます。本学会は日本の緩和医療の質の向上を目指すと同時に、新たな緩和医療学の体系をうち立てる使命があると思います。
 先日札幌で開催された新理事会でも討議されましたが、当面の本学会の運営方針としては、第一に、「緩和医療に従事する緩和ケア医の資格・技能水準を明確化すること、その普及を目指した教育研修体制を学会として整備すること、そして緩和ケア医の技能認定制度を設置すること」があります。なおこの教育研修に関連し、本学会における看護師や薬剤師など多職種に存在している認定制度・教育カリキュラムなどとの整合性を十分に配慮する必要があると思われます。
 第二には、「本学会およびその活動に関する社会的な認知度の向上」があります。本学会の法人化ないしNPO化についても、委員会などを設置して具体的な検討を進める必要があると思われます。また、アジア・太平洋地域や世界の緩和医療の動向を見据え、本学会活動の国際化、関連国際学会との連携を模索することも今後の重要な作業と考えます。「日本独自の」という活動の良い点を海外に知らしめ、また共通の悩みを国際的な観点で検討することは、本学会の価値を一層高めるものと考えます。
 本学会の今後の方向性を明確にする意味からも、各種委員会の構成に関して、必要な部分は新たに改組し、提案力のある、且つ提案事項に責任の持てる委員会を立ち上げて、各々の問題にあたりたいと思います。特に学会の中で、役割や目的に応じて、常設の委員会と特殊なテーマで期間を限った委員会とに大別し、課題に対して迅速に対応できる体制にしたいと思います。
 すべての学会員の皆様の多大なご支援、ご協力を得て、上記の事項について少しでも実現できるように努力したいと思います。
是非よろしくお願い申し上げます。

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