Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.23
May 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第23号

学会印象記
米国ホスピス・緩和医療学会(AAHPM)に出席して
厚生連海南病院  渡邊 正
 AAHPM(American Academy of Hospice and Palliative Medicine) and HPNA(Hospice and Palliative Nurse Association)の第16回年次大会が、1月21日より25日までフェニックス市において行われました。アリゾナの乾燥地帯に発展したフェニックス市は、街路樹の多くはサボテンで、日本では見られない都市の風景です。会場は、熱心さとユーモアと活発な討論で活気に溢れ、学会そのものの若さと、学会への期待が強く感じられました。わが国の緩和ケア医師教育の参考にするために、Dr. D. E. Weissmanが座長を務める“Advanced educational techniques for palliative care physicians”に参加しましたが、約100名ほどの参加者で、医学生、医師への教育方法が熱心に討論され、教育が現在最も重要な課題に位置づけられていることが伺えました。それらの詳細は紙面の関係で述べることはできませんが、あとでweb-siteをみると、フェローを募集している病院(大学病院を含め)は全米で46病院にものぼり、現在では医師を教育する医師の育成も重要な課題になっていると思われます。プログラム全体をみると、ワークショップや2〜4名の指導的な研究者による課題を決めたセッションなど、教育的な色彩の濃い運営がなされ、また演題では症状コントロールについで教育に関係する演題が多く見られました。癌以外の疾患に関する緩和ケアの演題も多く、米国の緩和ケアは、癌を中心に発展してきたわが国の緩和ケアに対し、癌に限らず心不全、腎不全などの緩和ケアも含む、総合内科的なベースから成り立っていることの反映と思われました。当学会に参加して、緩和ケア、トータルケアに対する熱い思いを感ずることができ、今後の活動への大きな刺激となりました。

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