Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.23
May 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第23号

Journal Club
アドヴァンス・ディレクティヴに関する倫理問題−リハビリテーションの観点から
千葉県がんセンター整形外科  安部 能成
Stein J: The ethics of advance directives: A rehabilitation perspective. Am J Phys Med Rehabil 2003; 82: 152-157.

要旨:リビングウィルや永続性のあるヘルスケアに関する法定代理人を含む、アドヴァンス・ディレクティヴは広く米国のヘルスケア制度において受け入れられるようになってきた。重度の障害の発生に際し、リビングウィルはケアに関する制限条項を含むことがある。このような条項は、障害を受容する資質に関する人々の能力について、あるいは、障害を持つ人のQOLに関して、社会的に誤った概念の形成、という倫理的問題を提起する。そして、永続性のあるヘルスケアに関する法定代理人に対する信頼性の増大が提唱されている。これは、障害を持つ人が経験しているQOLや、ヘルスケア教育の向上を含んでいる。
訳注:著者に拠れば、アドヴァンス・ディレクティヴとは、法的な文章のことである。これは、能力の欠如の状態に先立って、ヘルスケアに関する影響力を行使することにより、個人に対する支援を意図したもの。アドヴァンス・ディレクティヴの最も一般的な形式がリビングウィル、および、永続性のあるヘルスケアに関する法定代理人である。
解説:緩和医療学や死生学、生命倫理学では、ありふれた話題であるアドヴァンス・ディレクティヴが、身体的リハビリテーションの世界でも、障害の受容を巡って登場してきていることが伺われる論文である。医学的リハビリテーションの分野では、脳血管障害のほかに、外傷による後遺症、慢性神経疾患などの難病を対象としてきたので、このような形での生命倫理的提案がなされたと思われる。

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