Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.22
Feb 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第22号

学会印象記
第9回日本臨床死生学会
筑波大学臨床医学系  庄司 進一
 平成15年12月13〜14日に第9回日本臨床死生学会がルーテル学院大学の白井幸子教授の会長、法政大学の成澤光教授の副会長で、法政大学市ヶ谷キャンパスで「死生学におけるスピリチュアルケア」のテーマの下開催された。38題の一般演題と「職域における自殺をめぐって」と「スピリチュアルケアのありかた」の2つのシンポジウムと「死生学におけるスピリチュアリティ」の会長講演と「音楽による看取りケア」のCarol Sack氏の特別講演が行われた。
 一般演題では、須田民子氏が、小学校で死にふれる教育が少ない要因として、教諭ら15名に面接を行い、学童に死を受け入れるだけの土壌が育っていない、などを挙げ、小学校は死を教える素地づくりの段階と考えていた、と発表した。古賀ゆかり氏らは、高校生2,220名に命、死、価値、経験などについてアンケート調査をし、89%の回収率で、9割近くが命や死について考える反面、自他の命を断つことを考えたことがある学生は半数近くいた、と報告した。伊藤高章氏は、スタンフォード大学病院臨床牧会教育を紹介し、キリスト教の枠を乗り越えたものであるが、その一方で、教育の過程において各人の宗教的アイデンティティーは常に積極的に意識されている、と報告した。船後靖彦氏はALS発症者として、「継続された告知をへて生き甲斐としてのピアサポートを掴む」の題で、ワープロと自動発声機を用いての発表があった。
 会長講演は、スピリチュアリティの定義から始まりWilliam O'Hanlonの日常性の中のスピリチュアリティは3Cで、Connection(関わり)、Compassion(同情)、Contribution(献身)と説明し、末期医療の現場におけるその3Cの適用を話された。特別講演はグレゴリオ聖歌の実演があったり、音楽が鎮痛に効果があるABCテレビのニュースを交えて説得力のあるものであった。

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