Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.22
Feb 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第22号

Journal Club
オキシコドン徐放製剤(オキシコンチン)は神経障害性疼痛に対して有効である:糖尿病性末梢神経障害性疼痛に対するRCTにて
国立がんセンター中央病院緩和ケア科  下山 直人
Controlled-release oxycodone relieves neuropathic pain: a randomized controlled trial in painful diabetic neuropathy Watson CPN. et al
Pain 105(2003):71-78

「目的」
 CR oxycodoneは、神経障害性疼痛(DM neuropathy)に対して有効であるかどうか、痛みの量的な観点、QOLの観点から検討する。
「背景」
 糖尿病性末梢神経障害、PHN(帯状疱疹後神経痛)などの神経障害性疼痛に対しては、抗うつ薬、抗けいれん薬などの鎮痛補助薬が有効であるという報告が多い。神経障害性疼痛に対するオピオイドの有効性に関して現在でも異論はあるが、上記の鎮痛補助薬があまり効かない場合の最終手段として使用されることも多い。Osteoarthritisなどへの有効性も報告されている。オキシコンチンが神経障害性疼痛に対して有効であるかをRCTで検討することとした。
「対象と方法」
 45人の糖尿病性末梢神経障害性疼痛患者。下肢に少なくとも中等度の痛みをもっており、神経障害症状を1つ以上持っている患者。オキシコンチン を10mgから開始し、1日最大80mg/分2で投与している。副作用を同様にするために抗コリン薬のベンズトロピンをactive cotrolとして比較した。突出痛に対してはアセトアミノフェン325-650mgを頓用で使用した。痛みの定量化は、VASと5段階のカテゴリカルスケールで、QOL評価はSF36、Pain disability scale(PDI)、疼痛および睡眠の質評価表で行った。
「結果」
 評価可能症例は36例で、オキシコンチンの方が有意にVASが低下していた。QOL評価においてもいずれも有意にQOLの向上がみられていた。NNTの値は2.6であり、その他の抗うつ薬、抗けいれん薬に比べて低い傾向があり、鎮痛補助薬としての有効性は高いと考えられた。
「コメント」
 日本では、神経障害性疼痛に対するオピオイドの有効性はあまり認められていない。保険診療上の制約もあるが、癌性神経障害性疼痛に対しては今後、日本でもある程度積極的にオキシコンチンを使用することが必要であると考えられる。

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