Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.21
Nov 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第21号

ポスターセッション P18 170〜175
司会 : 昭和大学横浜市北部病院  高宮 有介
 私が司会を務めたセッションは多岐に渡るテーマの発表であった。
 まず、「病院での患者臨終期医療の実態調査」では、大学病院における臨終時の心肺蘇生などの医療処置および霊安室での面談の機会の調査から、不要な延命処置を除き、患者、家族との別れに対する配慮が必要との報告がなされた。「グリーフワークへの道」では、死後の処置により、ご家族が遺族に到る過程で劇的な変化をもたらされた事例が提示された。いわゆるエンゼルメイクの重要性ともに、それまでの患者、家族のケアへの継続的なケアの結果であったとの意見も出された。「緩和ケアユニットにおける看護師のケア行動とその分析」では、看護師の役割としてケアの提供者のみならず、チーム医療の中での看護師のコーディネーターとしての役割の重要性が強調された。「看取りパンフレットのアンケート調査結果」では、東北大学での家族が遺族へ移行する過程のサポートとしての、パンフレットの有用性が報告された。一方で亡くなる前の死の教育が重要であるとともに、死を受け入れがたい家族へのパンフレット配布の難しさも指摘された。
 「病院看護師と訪問看護師の末期医療の課題に対する意識」では、対象の病院看護師14,655人(回収率34.0%)と訪問看護師8,515人(回収率63.3%)と大規模なアンケート調査であった。重点項目として「治療ケアの方針に関する話し合い」、「痛みや症状緩和方法の徹底と普及」「精神科医やカウンセラーの関与」「在宅移行へのケアマネジメント」などが挙げられ、末期医療の充実していくべきことについては、「患者への相談体制の充実」「医療従事者数の確保」「在宅ケアの推進」などが挙がり、それぞれの項目で有意差はなかった。「急性期と終末期が混在する環境で働く看護者のストレスに関する検討」では、全国の大学病院における看護師へのアンケート調査であり、80大学から4,608名の回答があった(58%)。そのうちの68%が急性期と終末期の患者が混在する環境でストレスや疲労が増すと回答していた。結論として、看護師のストレスや疲労は、終末期医療の知識・技術不足に関連していた、看護師は、終末期患者が過ごす場所として、一般病棟は適切でないとし、個々の患者の治療や看護が行き届かないことにストレスを感じていた、そのストレスは終末期患者のみならず急性期患者へも及んでいたと報告された。一般病棟での緩和ケアチームの重要性が示唆されたと考える。

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