Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.21
Nov 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第21号

ポスターセッション P15 138〜142
司会 : 東札幌病院 MSW課  田村 里子
 第8回緩和医療学会の一般演題ポスターセッションP15-138〜142は、「一般病棟における遺族会出席者の分析」、「我が国のホスピス・緩和医療における遺族ケアの現状と課題」、「当院緩和ケア病棟の今後の課題?遺族のアンケート調査より」、「患者および家族よりの安楽死の要求に苦慮した一例−Spiritual pain に対する鎮静に際しての検討」、「鎮静実施に伴う家族ケアの検討―家族へのアンケート調査より」であった。
 遺族会をホスピス・緩和ケア病棟ではない一般病棟で実施した発表には、遺族会の実際の実施・運営に関する質問がなされ、緩和医療に携わる様々な臨床場のスタッフが、遺族会の実施に関心と意欲があることが伺われた。またホスピス・緩和ケア病棟における遺族ケアの現状についての発表で、様々な課題が山積、遺族ケアの専門スタッフに期待という点には、今後の議論が期待される。遺族アンケートからの満足度比較では、室料をめぐり各施設の事情や運用の違いに反応が見られた。
 Spiritual pain に対する 鎮静についての発表では、フロアーとのやりとりにおいて、その是非のみが論じられる前にまず身体的苦痛緩和の大切さが主張され、かつその苦悩を共感的に充分理解することの重要性、さらに精神医学的評価とそれに基づく治療が必要とする結論を明確にされていた。そうした状況にある家族への心理社会的介入の必要は、鎮静をめぐり揺れ動く家族ケアの発表でも、同様に指摘された。
 緩和医療におけるケアの受け手は、患者とそしてその家族も含まれることはいうまでもない。しかしながらその家族を研究の対象とした発表は、現状ではまだ多くはない。さらに死別後の家族である遺族をも視野に入れたケアに関する研究もまた、今後の領域といえる。そうした意味でこのたびの発表は、フロアーの関心を集め活発な質疑が交わされた。さらなる研究的な取り組みが期待される。

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