Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.21
Nov 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第21号

ポスターセッション P14 129〜133
司会 : 上尾甦生病院ホスピス  磯崎千枝子
 当セッションは、ホスピス・緩和医療に求められるものや問題点を明らかにする調査に関するもの3題、グループカウンセリングの導入結果報告1題、事例1題の計5題であった。発表・討議併せて1題につき6分の時間配分のため、司会者はタイムキーパーの側面が大で、殆どの演題を「後ほど個別にご質問下さい」で終わりにせざるを得なかったのが残念であった。
 しかしながら当セッションを通して「緩和医療に求められるもの」とは「(患者が自己を)語ること・(医療者がそれを)聴くこと・(療養環境や人間関係を共に)創り出すこと」であることが明らかとなった意義深い発表であり、司会者として良い体験をさせていただいたことを感謝したい。
 演題129は石川県内の病院や施設に勤務するソーシャルワーカー6名が患者10名へのインタビュー面接の逐語録をKJ法により項目整理、分析したもの。プライバシーの配慮、医療スタッフへの信頼感、自尊心を傷つけない配慮、理解されること等5項目14因子が抽出された。
 演題130は名古屋の緩和ケアチームの自院でのアンケート調査による「一般病院における緩和医療の問題点」で、適切な環境や時間が提供できないこと等からくるストレスを抱えつつ、患者・家族への配慮や医療者間の連携の努力がみられるとの結果であり、同様の経験をもつ参会者の共感を呼んだ。
 演題131では地域の人々への啓発活動(講演会)により、ホスピス・緩和ケアが肯定的に理解され、選択肢の一つとして認知されたと報告された。
 演題132は肺がんを主とする呼吸器内科専門病棟でのグループカウンセリング導入の例であった。入院患者対象に週1回1時間、心理カウンセラーが立ち会い開催されたが、家族の参加や継続参加者が多く、患者・家族のニーズが高いことが報告された。
 演題133では外科急性期病棟での介護者のいない独居患者の在院緩和ケアの事例が報告され、56という医療福祉制度の狭間の年齢にある患者の利用しうる社会資源の貧困さ(428床に1名のソーシャルワーカーの配置も少なすぎる)が浮かびあがった。

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