Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.21
Nov 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第21号

ポスターセッション P12 115〜119
司会 : 横浜旭中央総合病院−非常勤  伊奈 p(こう)
 本セッションでは5演題の発表があった。このセッションは代替医療(あるいは統合医療Integrative Medicine)に関する研究といえる。Integrative Medicine領域はBody Work, Creative Therapies、Spiritual / Energy Therapies等を包含している。
 P12-115野戸氏の発表「マッサージ(背部)の生理学的指標への影響」は、リラクセーションの一方としての背部マッサージの実施時間による生理的指標への影響を検討したもので、背部軽擦法によるマッサージは10分間以内であれば生理学的指標に影響を及ぼさず、背部皮膚温の上昇は実施時間により差が生じると述べている。P12-116は同じく野戸氏の発表「主観的指標からみたマッサージ(背部軽擦法)の効果」、で3分間ないし10分の背部軽擦法によるマッサージはSTAI、ストレス程度、リラックス程度といった主観的指標からみて有効であり、POMSには影響を与えないと考えられると述べた。P12-117小川氏の発表「緩和医療におけるA-Vインパルスの効果」では、癌の末期患者軽擦法は運動が制限され、下肢の浮腫頻度が高く血液循環改善効果が期待できるAVインパルス(間歇的空気圧縮器)の浮腫軽減の効果を研究したものである。結論として、ADLが改善する症例があること、施行が継続しなかった原因は痛みであり支援方法の改善が今後の課題となった。P12-118斎藤氏の発表「マッサージによる疼痛緩和の効果−身体的痛みの軽減のあとに残った痛みへ援助した事例より」、は身体的痛みが軽減してもなお混乱していた1症例のマッサージを活用した看護の効果を考察した。マッサージの意味として癒しの効果、人の温もりを感じる効果、心が通じ合う効果、希望を支える効果が抽出され、これらの意味から、この症例のトータルペインの理解と緩和がされたと述べた。P12-119西川氏の発表「がん患者の癒しに絵画鑑賞を用いて」は泌尿器系病棟の個室に居る手術後あるいは癌末期の患者を対象に静物画と風景画の中から選択された絵画を見て、述べられた感想の分析から、絵画 鑑賞は手術直後の不安や末期がん患者では家族の精神状態の安定が得られたと述べた。会場からの質問も活発にあり、今後実験研究の方法の検討、症例数の積み重ねが望まれた。

Close