Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.21
Nov 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第21号

ポスターセッション P08 075〜079
司会 : 京都府立医科大学医学部看護学科  種池 礼子
 担当のセッションP08-075〜079では、医療を学ぶ医学生・看護学生、専門職である医師・看護師への緩和ケアやdeath educationの教育や臨床研修をどのような時期に、どのような内容で実施すべきかをそれぞれの立場で検証した発表であった。まずP08-075では、オーストラリアの大学病院での緩和ケアチーム活動の見学を通して、その教育のあり方などを検討したものであった。またP08-076は、学生時代に緩和ケアへの概念や具体的な方法を学ぶことがその後の医療に対するモチベーションを高めることを示唆し、基礎教育での緩和ケア学習の重要性を示した。P08-077は、闘病記を読む意味を検証し、それが人生の再検討につながり、患者の生と死に対する意味を理解し、共感する上で重要であることを示した。P08-078では、緩和ケア病棟・一般病棟看護師共に緩和ケアの継続教育は必要であるが、特に緩和ケア病棟看護師では、一般病棟看護師より職務の責任や教育環境へのストレスを有し、それが学習ニーズにも反映することを検証した。P08-079は、WHOが提唱する緩和医療を実現できる専門家の育成のためには、緩和ケア病棟での研修だけでなく、がん治療を行っている時点からかかわる段階的な研修が重要であることを明らかにした。いずれの発表も、緩和ケアの実践に基づいた基礎教育や継続教育の効果とその意義について多くの示唆を得るものであった。
 終末期を迎えた患者の医療・看護は、ホスピス・緩和ケア病棟、在宅ホスピスなど専門的な施設だけでなく、一般病棟で数多く行われているのが現状である。すなわち、緩和ケアは必要とする患者に対してあらゆる場で提供されるものであり、特定の施設のみで実施されるものではない。その意味からも、終末期ケアは、すべての患者に対する医療・看護の基本であり、そのため、医療を学び始める学生から専門職に至るまであらゆる段階で、その時期に、必要な教育を継続的に行っていくことが重要であることを、各発表を通して再確認した思いである。

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