Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.21
Nov 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第21号

ポスターセッション P07 065〜069
司会 : 戸田中央総合病院緩和治療科  小野 充一
 当セッションでは、肺癌患者に対する緩和医療の具体的な取り組みについて様々な視点から幅広い議論が行われたので、その概要について報告する。
 P07-65では、肺癌の肋骨浸潤で激しい疼痛を訴えたために、オピオイドやNSAIDs、肋間神経ブロックなど様々な鎮痛治療を行っても効果が上がらなかった症例に、直線偏光近赤外線治療器(スーパーライザー)の照射が有効であったとの報告がされた。治療を休むと疼痛が増悪したことだけでは、治療との関係性を推測するのに少し弱い印象はあるが、その機序に関する検討を含めて、経験を積まれると更なる展開が期待できると感じられた。
 P07-66は、肺癌患者の在宅療養に対して積極的に取り組む視点から、在宅酸素療法(HOT)を導入し、6ヶ月以上の安定した在宅生活を送れる患者が増加しているという報告である。これは、地域の中核病院としての役割を果たす上で大学病院として、在宅機能を重視するという方向性が評価された。
 P07-67は県立成人病センターにおける肺癌患者に対する緩和的放射線療法の実態を分析したものである。全脳照射と骨転移に対する照射が多く、初回治療開始後、早期に転移を来すものも認めたことから、かなり早い時期からの取り組みも行うべきとの提言を行った。今後は、局所腫瘍制御の奏功率と症状緩和との相関性などの検討を加えることで、緩和的放射線療法への期待が促進すると考えられた。
 P07-68は、地域中核病院における終末期医療の現状を評価し、将来における緩和医療導入の可能性を検証しようとした報告である。結論として、急性期医療に負われる現状では、症状緩和や看取りの面で幾つかの問題点を認め、今後の検討課題とされた。
 P07-69は、進行肺癌患者の治療経過中に認める難治性感染症において、起因菌が同定されず血中カンジダ抗原が陽性の場合、抗真菌剤投与を行って良好な経過を得た症例を報告し、今後の感染症治療における血中カンジダ抗原測定の有用性を示唆した。

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