Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.21
Nov 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第21号

ポスターセッション P05 046〜050
司会 : 淀川キリスト教病院ホスピス  池永 昌之
 本セッションでは発表された5演題全てが、フェンタニルパッチの使用に関する報告であった。
 P05-046は適正使用について、調査期間別薬剤費比較を通しての報告であった。緩和ケア病棟においては、入院料の定額制支払が行われているため、フェンタニルパッチなどオピオイドの大量投与により高額の薬剤費が請求されることがある。そこで、この点に留意して使用症例の有用性を検討する必要があることが報告された。
 P05-047は患者・家族、医師、看護師に対するアンケート結果の報告であった。本剤は本邦初の経皮吸収型鎮痛薬であり、これまでの鎮痛薬に比べ十分な使用法の理解が必要である。アンケート結果では副作用は少なく、使用方法も決して難しい薬剤ではなかったと報告された。
 P05-048は使用経験についての追跡調査報告であった。モルヒネ投与による副作用は著明に改善が見られたが、多くの患者で用量安定までにレスキューが必要であり、その使用には充分な知識が必要であった。また少数ながら、皮膚トラブルとモルヒネ中止による退薬症状も観察されたとしている。
 P05-049は薬剤師による使用実態の調査報告であった。モルヒネ内服例の換算値については50〜133(平均約100)と、初回貼付への設定比150より全例低値であったとしている。副作用の改善度は高かったが、一部医師の理解不足(換算比・レスキューなど)のために十分な効果が得られなかった症例も見られ、今後は薬剤師の疼痛治療への参入が必要であるとしている。
P05-050は血中濃度変動因子についての報告であった。死亡前2週間と2週間以上の比較検討では、前者で有意に血中濃度が高くなる傾向がみられた。また、肥満度、体重、年齢、血圧、季節では有意な差は認められなかったが、一部の症例で腋窩温が36℃台から38℃台へ変化することにより、血中濃 度が増加したと報告された。

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