Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.21
Nov 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第21号

ポスターセッション P03 026〜030
司会 : 総合病院国保旭中央病院 緩和ケア科  田中 方士
 一般演題ポスターP03 026〜030までの5演題を担当させていただいた。
 社会保険神戸中央病院の八木安生氏らは、死亡前に急激に肝腎機能の低下する末期癌患者を対象にglucose-insulin療法をおこない、糖代謝が改善するかどうかを検討した。27例の検討では、血中クレアチニンとNEFAが有意に低下し、また生存期間の延長がみられたとしている。
 東大阪市立総合病院の岡義雄氏らは、切除不能、再発癌患者に対する在宅中心静脈栄養法(HPN)の有用性について述べた。HPNによって平均2カ月弱の在宅が可能であったとし、その有用性を指摘した。
 国立大阪病院の里見絵里子氏らは、終末期における腹水管理について述べた。この中で、緩和ケアとしての腹水コントロールは、慢性肝疾患を背景とした肝癌においては利尿剤が第一選択薬であり、また門脈塞栓や癌性腹膜炎を背景とした利尿剤不反応性症例については腹水穿刺となることが多いと述べた。さらに、腹水濃縮還元法についても言及し、その有用性を強調した。
 総合病院国保旭中央病院の菅谷聡子氏らは、ステロイド使用による末期癌患者の倦怠感の変化について述べた。Double-blindによる比較検討ではないが、倦怠感に対する有効率は67%であり、高い有効率を示した。重篤な副作用はなく、積極的に使用することによってQOLの向上が得られる場合があることを示した。
 中津市立中津市民病院の古賀聡氏らは、消化器癌ターミナルステージにおける全身倦怠感や食欲不振とCRFとの関連について述べた。この中で、消化器ターミナルステージにおいてCRF高値群と低値群が存在することを示したが、今後CRF製剤による緩和医療の可能性はさらなる検討が必要と述べた。
 以上5演題であったが、それぞれ活発な討論がなされ盛況であった。

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