Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.20
Aug 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第20号

ポスターセッション P12 110〜114
−広めるために、高めるために−
司会 : 静岡がんセンター 緩和医療科  田中 桂子
 P12ポスターセッション(110-114)では、一般病院における緩和医療推進の様々な活動(前半3題)と、緩和ケア病棟新設に際しての新しい試み (後半2題)について報告された。
 1. 碧南市民病院緩和医療委員会からは、勉強会開催・疼痛マニュアル作成・薬剤師による回診とコンサルトなど、5年間に徐々に院内サポート体制の確立を図ってきたことが報告された。2. 秋田総合病院緩和ケアチームは、院内アンケート調査の結果、緩和医療への関心が看護師に比べ医師において低いこと、また、精神的ケア・症状緩和についての教育と告知後のサポート体制の確立が必要とされていることを報告した。3. 麻生飯塚病院からは、院内イントラネットを利用した緩和医療に関する情報の提供と、ネット掲示板を意見・情報交換の場とするシステムが紹介され、今後認知度と利用率を上げるための改良点が報告された。
 4. 新設の静岡がんセンター緩和ケア病棟からは、医師・看護師・心理療法士からなる多職種チームが同席して緩和医療外来初診を行なっていることが紹介され、そのメリット(早期に多面的で適切なアセスメントが可能)とデメリット(人数的な威圧感を与えてしまう可能性など)が報告された。5. 同じく静岡がんセンターから、2つの緩和ケア病棟(本棟内と別棟)の入院患者背景の共通点・相違点が検討され、様々なニーズに合わせた緩和ケア病棟運営の可能性が報告された。
 どの発表も臨床現場での地道な努力と熱意が感じられ、同じような問題をかかえる他施設からの質問も活発で、時間を延長しての有意義な討論がなされた。(会場が狭く、十分に見えず聞こえずという状態であったことが残念であった。)
 緩和医療を啓発し「広く」浸透させて行くと同時に、スペシャリストとして緩和医療の専門性を「高めて」いくための臨床・教育・研究活動が必要であることを改めて感じさせられた。

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