Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.20
Aug 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第20号

ポスターセッション P11 105〜109
司会 : 元 日本看護協会看護研修学校  中山 康
 診療報酬の改正は、医療現場の様相をダイナミックに変化させる。入院期間の短縮により、がん患者も外来中心の療養形態に変化し、入退院を繰り返すようになった。
 そのような中、旭川赤十字病院発表の2題は、退院した進行がん患者の継続ケアに課題を感じた病棟看護師たちが取り組んだ電話訪問の3年の実績評価と、病棟・外来・訪問看護との連携の実態を整理し、現場での提言がなされた。また、藤沢湘南台病院からは、急性期病棟における緩和ケアの取り組みとして『情報共有用紙』の活用により、患者家族の想いの変遷をチームで共有でき、タイミング良くチームアプローチが出来るようになった成果の発表だった。急激な医療現場の変化の中、ケアの視点をもち続け、今の体制の中で出来ることを模索するチームの姿勢は聴衆者にも伝わり、実地レベルでの質問が数多く出された。
 和歌山県立医科大学からは、緩和ケア病棟における90日を越える長期入院者の特性を分析された発表であった。本来の緩和ケア病棟の機能を果たそうとされるがゆえに生まれた研究テーマであると思われ、分析の結果、病状や治療内容よりも『介護力の課題』が長期入院に強く関連し、地域支援システムの必要性が強調された。
 5題目は、固形がんのターミナルケアに焦点があたりがちな中、東京大学大学院ターミナルケア看護学から、白血病治療不応期の入院患者の苦痛に焦点をあて、看護職員の認知から課題を明らかにする発表が出された。白血病においては身体的苦痛の緩和方法がまだ充分に確立されていないこと、社会的苦痛のケアの充足度も低いことが明らかにされた。罹患部位ばかりでなく、受ける治療の経過の特徴により、患者や家族の抱える苦悩は変る。がんの治療の幅が更に広がるであろう将来、治療内容によって生じる身体、心理、社会的なハンディに対応するケアが求められるであろう。

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