Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.20
Aug 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第20号

ポスターセッション P09 085〜089
司会 : 聖路加看護大学  井部 俊子
 本セッションでは5演題発表が行われた。そのうち3演題は、認定看護師の活動に関するものであり、2演題は、がん看護の苦痛とケアのあり方に関するものであった。
 P09-085およびP09-087は、がん性疼痛看護認定看護師の活動に言及していた。浜松赤十字病院病棟看護師61名を対象に行われたニーズ調査では、疼痛管理よりも患者・家族の人間関係上の困難が上位を占めており、がん性疼痛看護認定看護師の役割と教育プログラムの内容に示唆をもたらすものであった。また、がん性疼痛看護認定看護師14名を対象とした聞き取り調査では、「活動時間の不足」「活動に伴う精神的負担」「指導上の効果が上がらない」「医療者間の連携がとれない」「鎮痛薬使用の経験不足」「活動の確立ができない」などの“困難”があり、新たな役割をもった専門家は起業家としての基礎知識が必要であるという認識をもった。P09-086は、急性期病院のホスピスケア認定看護師(CEN)の活動報告であり、病棟看護師がCENにケアを依存しがちであり、全体的なケア水準の向上に寄与しないということであった。急性期病院における過剰な業務量が推測されるが、組織方針の変更により、CENが翻弄されている実状も知ることができた。
 P09-088は、終末期がん患者への実在的苦痛に対してどのような介入方法が有効かということを専門家456人を対象に、仮想症例を用いた量的研究であった。因子分析の結果、「意味づけを中心とするアプローチ」「快適な環境の提供」「支持的表現的アプローチ」「宗教的アプローチ」「教育と対処能力の強化」「存在」の6因子が抽出され、寄与率も高かった。参加者から、患者を対象とした調査の必要性が提案された。P09-089では、食道がん患者への対応において、こうしたアプローチがなされたことを示していた。

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