Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.20
Aug 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第20号

ポスターセッション P06 056〜060
司会 : 大阪大学大学院人間科学研究科  恒藤 暁
 担当したポスターセッションでは、「治療の意向」、「非侵襲的持続陽圧換気による治療」、「呼吸困難に対するフロセミド吸入療法」、「がん性疼痛のある患者の関わり」、「緩和ケアカンファランスの取り組み」と多岐にわたる演題が発表された。各演題の概要を述べ、短くコメントする。
 P06-56は、一般病棟医と緩和ケア医を対象に想定患者に、どのような治療を行う意向があるかを質問紙調査したものである。両群に有意差のみられた回答とそうでない回答があり、“緩和ケア”の定義と解釈が課題であるように感じた。
 P06-57は、二酸化炭素ナルコーシスを併発したがん性胸膜炎の患者に、非侵襲的持続的陽圧換気を行ったところ改善がみられたという症例報告である。非侵襲的持続的陽圧換気の適応とインフォームドコンセントが議論の的となった。
 P06-58は、がん患者の呼吸困難感に対するフロセミド吸入療法の有用性について検討したものである。有効な症例とそうでない症例があったが、その差異はどこから来るものか今後検討する必要がある。
 P06-59は、がん性疼痛のある患者が主体的に疼痛コントロールできた要因について検討した症例報告である。今回の症例は主体性を引き出す援助ができたようであるが、今後、そうでない症例を含めて検討するのがよいのではないかと感じた。
 P06-60は、緩和ケアカンファランスの取り組みについての報告である。週1回のカンファランスを開催し、全人的アプローチでの検討がケアの質の向上につながっているとのことである。このような取り組みのポイントについて討議されたが、今後、多くの病棟で同様な取り組みがなされることを期待している。
 以上のように、症状緩和、チームアプローチ、倫理的な判断についての発表に対して活発な討論が行われた。いずれも緩和医療において重要なテーマであり、さらなる発展が期待される。

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