Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.19
May 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第19号

学会印象記
5th Asia Pacific Hospice Conferenceに参加して
聖路加国際病院 薬剤部  塩川  満
 第5回アジア太平洋ホスピス大会に参加したのでご報告いたします。この学会は2003年3月5日(水)〜8日(土)に大阪国際会議場を会場にして開催されました。柏木哲夫先生を大会委員長とした第5回アジア・太平洋大会組織委員会の主催で日本ホスピス・緩和ケア研究会振興財団との共催で行なわれました。今大会のメインテーマは「Evolution and Integration of Hospice Palliative Care」であり、「我々のアジア太平洋地域からこのケアを広めて行きましょう、輸出しましょう」と柏木大会委員長からの熱いメッセージもありました。では実際の大会の内容ですが、3/5はオープニングセレモニーであり3/6.7.8(am)が学術集会、3/8(pm)は海外参加者を対象としたホスピス見学でした。では、参加者動向はどうでしょうか、28カ国より 1,053名(医師252名(23.9%)・医師以外の医療従事者619名(看護師526名、他93名)(58.8%)・学生182名(17.3%))の参加者があったようです。この大会で印象に残った点ですが、まずは、日本の薬剤師の参加者が少なかった点です。ホスピスではチームでの関りが必要とうたっていますが日本の現状としてもまだまだチームメンバーには薬剤師が入り込めていません。日本の看護師も認定制度をつくり専門看護師の育成に力をいれています。我々薬剤師も専門領域に認定制度を早期に導入する必要性を感じました。また、この大会ではKeynote speech、Plenary session、Symposium session、Oral presentation、Poster presentationと大きく分けられていましたが、特にこの大会を通じて一番印象に残ったのはPlenary session503で発表のあった音楽療法士のSatomi Kondoさんの発表であり歌声です。Canadaで子供をなくす親に対し、音楽を通じて関り、その音楽がまさにその両親をささえていたこと、また、その時の音楽がKondoさん自身の歌声により会場内にいっぱいになったときはまさに人間の暖かさが、そして音楽のすばらしさが国を超えて伝わりあえたような気さえしました。「この場にいれてよかった。」と率直に感じました。
 最後に「日本のホスピスの将来像はどうなるべきであるのか」と考えたとき、ホスピスは癌だけではなくその他多くの慢性疾患を受け入れられること、そして在宅でのケアがもっと広がれる環境を整えることが課題のような気がしました。それにはまさに教育という大きな課題もあるは思いますが。

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