Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.18
Feb 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第18号

学会印象記
第26回日本死の臨床研究会年次大会印象記
東札幌病院麻酔科・緩和ケア科  渡辺 昭彦
 本研究会は、昭和52年の第1回年次大会以来、本年で26回を迎え、既に4半世紀の歴史を持つ。今年は、群馬と栃木のグループ共同で、11月23・24日に高崎市で開催された。今大会は、「死を見つめたなかで、いかに生きるか」に焦点をあて、「生と死を超えて」をメインテーマとしてシンポジウムも組まれていた。シンポジウムに関しては、テーマが大きすぎて、学会時間枠内では収まりきらないところもあり、不消化な感も強かったが、参加者全員に投げかけられたテーマとして、今後も考えていければ良いのだろうと思った。
 さて、本研究会の参加者は医療従事者のみではなく、多岐にわたっており、そのことが本研究会の特色をなしていると思われ、内容的にも、研究会名の通り臨床に則したものが多く、事例検討が大きな比率を占めている。そのため、共感を覚える発表も多い。しかし、学際的な面としては、どうしても脆弱な印象を拭えず、この点が、本研究会の長所でもあり弱点なのかとも思えた。おそらく、本研究会は、「ともに死を考えよう」という基本理念で設立されたものと思われるが、看護師やコメディカルの方に比較し医師の参加はあまり多くないように感じた。本研究会の使命が、啓蒙と教育にあるとしたならば、医師への普及が問題であろう。死を看取る事は、医師であれば多くのものが行っていることであると思うが、医師自身が興味を示さなければ、この様な学会・研究会への参加はあり得ない。医師が参加を望むような質の向上と、一般市民をも巻き込んでいけるような幅の広さという、2つの方向性を同時に満たすことの困難さを感じる。この点は、本研究会における永遠のテーマなのかもしれない。
 最後に、特別企画「詩画からのメッセージ〜星野富弘の世界」は、柏木先生の軽妙な話術と星野さんの人柄、美咲さんの朗読の妙が相まって、とても感動的なものであった。感動は、人を動かすエネルギーとなると思うが、この様な感動を医師の世界に、もっともっと伝えられたら…と思いながら、今回も会場を後にした。

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