Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.18
Feb 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第18号

Journal Club
Hospital Care at the End of Life
東北大学医学部附属病院緩和医療科  山中 啓之
Hospital Care at the End of Life : An Institutional Assessment
Journal of Pain and Symptom Management, Vol.24. No3, September 2002

▼ベビーブーム世代の高齢化を前にend of life careのあり方への関心は高まっている。この25年間多くの人がその終末期を病院で迎えている。その中で患者の望まない延命措置や漫然とした治療が少なからず続けられているのは周知の通りであり、医療者・患者・家族が相互に関係を持ちend of life careがどうあるべきかを問う声が高まるのは必然と言えよう。▼本稿では医療者への質問、カルテ内容、遺族への質問をもとにしてend of life careのあり方について論じている。対象患者は末期がん患者のみならずICU入院患者、老人ホーム入棟者にも及んでいる。▼医療者への質問では患者との信頼関係、早期から協議を持つ事、家族へのsocial workerの関与、終末期に医師が積極的に関与を持つ事などが必要であるとの回答を得た。またend of life careの妨げとなるものとして方向性を専門科に一任させる事、時間が充分とれない事、法的制約や責任問題、家族ができる事が充分行われていないなどを挙げている。▼カルテ調査によると死亡時全身状態は慢性呼吸不全、昏睡状態、痴呆、HIVなどがありがん患者は23%であった。死因は敗血症、肺炎、腎不全、呼吸不全、循環不全であった。80%に意識障害があり、日常生活面で第三者の援助を必要としていた人は75%で、自己判断能力を保持していた人は20%以下だった。カルテ上DNRの意思表明は87%で得られていたが、DNRが表明されていない場合は、たとえ効果が期待できなくとも心肺蘇生術が施行された。▼遺族への質問では、最後の一週間になるまで死ぬとは思わなかった(50%)としながらも、医師が鎮痛によく努めてくれた(73%)、患者の身体的苦痛除去によく努めてくれた(83%)などの回答があった。▼筆者考察;洋の東西を問わずend of life careに関する懸念や問題点は同じなのだと思った。また、55人いた遺族への質問についてだが、8人は拒否し、16人は連絡が取れず、応じた遺族は31人であった。質問結果が若干好意的なのはそのせいではなかろうか。私どもの緩和ケア病棟でも遺族に対して手紙を出しているが、いただくお返事はどれも皆好意的である。しかし質問に応じる事を拒否した遺族は果たして何を思ったであろうか。

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