Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.18
Feb 2003

日本緩和医療学会 ニューズレター第18号

Current Insight
消化器外科手術後終末期がん患者の臨床病期分類
伊勢崎市民病院外科  保田 尚邦
 消化器癌の再発形武の特性から消化管通過障害が生じやすく、多くの外科手術後終末期がん患者は手術を受けた病院でターミナルケアも受け死を迎えているのが現状である。これらの終末期がん患者を臨床所見から独自の方法で分類し検討した。
 2000年1月より、術後再発のため再度入院し原癌死した46例(胃癌28、大腸癌18)を対象とした。社会生活面の障害(再発のため入院)、経口摂取面の障害(1日に100ml程度の水分しか飲めない)、運動機能面の障害(自力で座位不能)、生理機能面の障害(乏尿や急激な意識障害)の4つの局面(Terminal phase)障害の有無から臨床病期分類(Terminal term)を行った。Terminal term-A 期(社会生活面の障害)、TT-B 期(社会生活面、経口摂取面の障害)、TT-C 期(社会生活面、経口摂取面、運動機能面の障害)、TT-D 期(社会生活面、経口摂取面、運動機能面、生理機能面の障害)とした。それぞれの中央値日数は、6.5日、7日、4.5日、2日であった。死に至るまでの経過では、全例でTT-B、C、D 期を順に経ていた。姑息的手術などにより11例で TT-A と B 期から一時的に離脱できたが、TT-C と D 期からは無かった。臨床の場で TT-B 期から C 期に移行する時期(運動機能面の障害の出現)を認識することは、良好なインフォームドコンセントを行う上で特に重要と考えられた。
 終末期がん患者の正確な生命予後を知ることは困難であるが、適切な医療と患者の高い QOL そして家族を援助するために予後予想は重要である。また適切な医療を提供し、その効果を判定するために臨床病期分類は不可欠である。Terminal term は臨床的で容易に判定でき、各時期における治療方針の決定や生命予後の予想に有用と考えられた。

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