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学会からのお知らせ
市民公開シンポジウム(2005年7月2日開催) Q&A公開
柏木先生への質問と回答
質問1 : 看護師にユーモアのセンスはあると思いますか?
質問2 : ホスピスを正しく理解するためには?
医師から説明された予後を楽観的にとらえている患者への対応は?
質問3 : 日本人ならではの死生観に沿ったホスピスというものはありますか?
質問4 : 緩和ケアにおける代替療法[音楽療法など]の可能性は?
質問5 : がん疼痛治療のガイドラインを教えて下さい。
質問6 : 遠方のホスピスより近くの地域病院で最後を迎えたいが?
質問7 : 医師との付き合いを良好にするためには?
質問8 : 緩和医療について、医師の意識を変えていくためには?
質問9 : ホスピスについての情報を得たいのですが?
質問10 : 痛いといっても聞いてくれない先生の場合に、どのようにしたらよいでしょうか?

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質問1 : 女性、20歳。
 看護師にユーモアのセンスはあると思いますか?
柏木 :
勿論個人差はあると思いますが、全体として、ユーモアのセンスがなければやっていけない仕事ですし、センスがある人が多いと感じています。
質問2 : 女性、28歳。
 延命についての積極的な治療ができなくなった患者さんにホスピスの話をしたら「なにもしないところ」という誤解があり、正しく伝える事ができず、困っています。どういうふうにお話すればよいですか?余命について医療者側はあと数ヶ月という診断であるのに対して患者さんは何年とか何十年と理解しており、まだまだ治療が出来ると思っていたり、したいことがあってもまだ先でいいと思っていたりすることがあり、残された時間を大切に使うという選択の手助けが難しいです。どうすればいいのでしょうか。
柏木 :
ホスピスではとても積極的な医療行為がなされています。しかし、その積極性が一般病棟では治療と延命に向かいますが、ホスピスでは苦痛の緩和に向かいます。医療者側と患者さんとの予後(病気の経過についての見込み)に対する認識が異なる場合は、少しづつその差を縮める努力を医療者側がする必要があります。「少しづつ」が大切で、「急に」縮めると患者さんはショックを受けます。
質問3 : 女性、25歳。
 ホスピスはどうもキリスト教のものというイメージがあります。日本人にとってキリスト教はそこまでなじみのあるものに思えません。日本人ならではの死生観に沿ったホスピスというものはありますか?
 ホスピスはアメリカなどから輸入された考え方だと聞いています。ホスピスは何年間かの臨床を経ることで、単なる輸入ではなく日本らしいものを持つようになったのでしょうか?海外のホスピスとは違った日本人向けのホスピスの特徴があれば教えて下さい。
柏木 : ホスピスは歴史的には確かにキリスト教の背景を持っています。今の日本のホスピスを見ますと、キリスト教系、仏教系の他に、特に宗教色のないものまでいろいろです。大学の中でキリスト教系のいわゆるミッションスクールがあり、仏教系の大学があり、無宗教の大学があるのと良く似ています。日本らしいホスピスはどのようなものなのかを探っていくことは、これからの課題だと思います。
質問4 : 女性、26歳。
 緩和ケアにおける代替療法[音楽療法など]の可能性について教えて下さい。
柏木 : 緩和ケアにおいては、音楽療法、アロマセラピーなどの代替療法は積極的に取り入れています。患者さんによっては、それで慰められ、QOL(生活の質、生命の質)の向上に役立つ場合があります。
質問5 : 男性、28歳。
 痛みをとるためにモルヒネを使うと意識が不鮮明になることがありますが、これは量が多過ぎるからなるのでしょうか?持続注入ポンプはどのような病院でも可能でしょうか。WHOラダーというものがありますが、現実には必ずしもそのとおりではない気がするのですが、それは間違っているのでしょうか。ガイドラインなどあれば教えていただければ幸いです。宜しくお願いします。
柏木 : ご質問に関しては、適当なガイドラインを参照していただくのが良いと思います。最新のものでは厚生労働省、日本医師会、日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団の協力で出版した「がん緩和ケアに関するマニュアル」が良いと思います。詳しくは、財団のホームページ(http://www.hospat.org/ )をご覧下さい。
質問6 : 男性、41歳。
(1)100km四方にホスピスのない地域病院で働いている者ですが、最期の時に地元ですごすことのほうが、遠方のホスピスに行くよりもbetterと考えて急性期、病院の中で 終末期医療をおこなっています。先生のご意見をお聞かせ下さい。
(2)診療連携という名目での“患者ころがし”がおこっています。患者さんにとって病院や担当医が変わるのは決して良いことではないと考えています。この信念のもと 診断、手術、化学療法などを1人で行なっていますが、時間、体力的にむずかしいと感じる事が多くなってきました。何か良い方法はないでしょうか。患者さんは担当医が変わらないことに肯定的なように思いますが。
柏木 : (1)将来とも一般病棟で死を迎える人がほとんどと思います。一般病棟でも、Hospice minded care(ホスピスの心を持ったケア)が行われるのが理想だと思います。   
(2)可能な限り一人の医師が最期まで診るのがいいと思います。しかし、医師の年齢や他の仕事との兼ね合いでそれが不可能になることも現実と思います。その医師が患者さんを委ねることができる緩和ケアの専門医を持っていることが大切と思います。
質問7 : 女性、55歳。
 患者さんにとって医師との付き合いはとても緊張し、ストレスの多いものという話をききます。最近ではドクターハラスメントというような言葉もあります。このような状況を改善していくためには、一患者・一市民としてどのようなことができるでしょうか。なにかご提案が先生からおありでしたら、教えていただけますか。
柏木 : 同じような考えを持っておられる市民の方が集まって、例えば「医師との付き合い方を考える会」などを立ち上げ、少しづつ、患者さんの気持ちを医師に伝える努力をしていただくのがいいと思います。
質問8 : 女性、30歳。
 緩和医療については、医師の理解が足りないと思われますが、医師の意識を変えていくために、どのような戦略があるでしょうか。
柏木 : (1)医学教育、(2)卒後教育、(3)学会レベルでの啓発運動、(4)市民が積極的に発言する、(5)メディアを通しての啓発などかと思います。
質問9 : 男性、68歳。
 ホスピスについての情報を得たいのですが、どうすればよいですか。
柏木 : 日本ホスピス緩和ケア協会のホームページ(http://www.angel.ne.jp/~jahpcu/)をご覧下さい。
質問10 : :男性、70歳。
 痛いといっても聞いてくれない先生の場合には、どのようにしたら良いでしょうか?
柏木 : 担当の看護師さんか、ソーシャルワーカーに相談されるのがいいと思います。
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