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苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン(2010年版)

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3章 定義
1 鎮静の定義と分類
 苦痛緩和のための鎮静について国際的に統一された定義はない。本ガイドラインでは,系統的文献検索に基づいて合意の得られた定義と分類を採用する。
1
鎮静の定義
①患者の苦痛緩和を目的として患者の意識を低下させる薬剤を投与すること,あるいは,②患者の苦痛緩和のために投与した薬剤によって生じた意識の低下を意図的に維持すること。
  1. 本定義では,睡眠障害に対する睡眠薬の投与は鎮静に含めない。
  2. 意図せずに意識の低下が生じた場合,意識低下を軽減させる処置を行う場合は,鎮静に含めない(意図せず生じた意識の低下を意図的に維持する場合は,鎮静に含める)。
2
 鎮静様式,および,鎮静水準を下位分類として定義する。鎮静は下位分類の組合せによって表現される(「深い持続的鎮静」,「浅い間欠的鎮静」など)。
鎮静様式
  • 持続的鎮静: 中止する時期をあらかじめ定めずに,意識の低下を継続して維持する鎮静
  • 間欠的鎮静: 一定期間意識の低下をもたらしたあとに薬剤を中止・減量して,意識の低下しない時間を確保する鎮静
鎮静水準
  • 深い鎮静: 言語的・非言語的コミュニケーションができないような,深い意識の低下をもたらす鎮静
  • 浅い鎮静: 言語的・非言語的コミュニケーションができる程度の,軽度の意識の低下をもたらす鎮静
3
その他の定義
夫婦,親子,兄弟など患者と姻戚もしくは血縁関係にある人々,あるいは,情緒的,機能的,経済的に支援し合い,患者が家族であると認識している人々
②医療チーム
医師,看護師,心理専門家,医療ソーシャルワーカー,薬剤師など複数の専門職種からなる患者ケアを行うチーム
③積極的安楽死
医師が患者の死をもたらすことを意図して,薬剤を投与することによって生じる死亡

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