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がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2010年版)

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4章 資 料
4 海外他機関による疼痛ガイドラインの抜粋
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がん疼痛におけるモルヒネと代替オピオイド:EAPCの推奨(2001, BJC)
  • European Association for Palliative Care(EAPC)が作成した、モルヒネに関する推奨である (A:質のよい1つ以上の無作為化比較試験に基づく。B:良くデザインされた臨床研究に基づく。C:専門家委員会の報告や意見、またはエキスパートの臨床経験に基づく)。
  • 中等度から重度のがん疼痛に対する第一選択はモルヒネであり(C)、最適な投与経路は経口で、徐放性製剤(維持用)と速放性製剤(レスキュー・ドーズ用)の2 種類が必要である(C)。
  • 最も簡便な至適量の調整法は、4時間ごとにモルヒネ速放性製剤を経口投与し、疼痛時にも同量を経口投与する方法である。レスキュー・ドーズは1時間あけて必要時何度でも経口投与し、毎日、必要量を調整していく(C)。就寝前に2 倍量経口投与するのは、夜間の突出痛を防ぐ簡便で有効な方法である(C)。
  • 徐放性製剤服用時刻の前に痛みが増悪する場合は、徐放性製剤を増量する。種々のモルヒネ徐放性製剤があるが、持続時間や鎮痛効果に優劣の差はない(A)。徐放性製剤で安定した鎮痛効果が得られていても、突出痛に対してレスキュー・ドーズ処方が必要である(A)。
  • 経口投与が困難な場合は、代替経路として皮下投与に変更する。筋肉内投与は推奨されない(C)。静脈内投与が推奨されるのは、静脈カテーテルが留置されている場合、全身性浮腫がある場合、持続皮下注により発赤・痛み・膿瘍が生じた場合、凝固異常がある場合、末梢循環不全の場合である(C)。口腔粘膜下、舌下、吸入でのモルヒネ投与は推奨されな
    い(B)。
  • 経口投与と持続皮下注の鎮痛力価の比は、1:2〜1:3 である(モルヒネ経口投与20〜30mgがモルヒネ皮下投与10mgに相当する)(C)。経口投与と静脈内投与の鎮痛力価の比も、1:2〜1:3 である(A)。
  • 経口モルヒネ使用時に副作用のため十分な鎮痛効果が得られない場合は、オピオイドの変更や投与経路の変更を検討する(B)。オキシコドンは経口モルヒネの代替薬として有用である(A)。フェンタニル貼付剤は、必要量が安定している場合には、モルヒネの代替薬として有用である(B)。
  • これらモルヒネ代替薬の適切な使用にもかかわらず副作用が強く鎮痛効果が得られない場合は、神経ブロックなどを検討する(B)。

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