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がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2010年版)

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4章 資 料
4 海外他機関による疼痛ガイドラインの抜粋
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経口モルヒネの副作用対策:エビデンスに基づいたレポート(2001, JCO)
  • European Association of Palliative Care(EAPC) の専門家作業部会が作成したオピニオンレポートである。
  • オピオイド使用時に副作用症状が出現した際は、他の原因との鑑別診断が重要である。①中枢神経性(脳転移、髄膜播種、脳血管障害、硬膜外出血)、②代謝性(脱水、高カルシウム血症、低ナトリウム血症、腎不全、肝不全、低酸素血症)、③敗血症/ 感染症、④消化管閉塞、⑤医原性(三環系抗うつ薬・ベンゾジアゼピン・抗菌薬・コルチコステロイド・NSAIDsなどの薬剤性、化学療法、放射線治療)を除外診断する。
  • 副作用の対応として、①オピオイドの減量、②副作用症状に対する対症療法の強化、③オピオイドローテーション、④薬物投与経路の変更、を検討する。
  • ①のオピオイドの減量に関しては、疼痛緩和が良好で副作用が軽度から中等度の場合は、20〜50%の減量を検討する。それ以外の場合は、痛みの原因に対する化学療法・放射線治療、神経ブロック、非オピオイド鎮痛薬や鎮痛補助薬の併用により、減量が可能か検討する。
  • ②の副作用症状に対する対症療法の強化としては、以下のように、個々の症状に対応する。
  • 嘔気・嘔吐(経口モルヒネ服用者の15〜30%で生じる)は、メトクロプラミド、ハロペリドール、プロクロルペラジン、ジメンヒドリナート、オンダンセトロンなどが推奨される。モルヒネの皮下投与への変更で嘔気・嘔吐が減少する場合がある。
  • 便秘(経口モルヒネ服用者の40〜70%で生じる)は、代謝性疾患(糖尿病、高カルシウム血症、低ナトリウム血症、尿毒症、甲状腺機能低下症)、脱水、高齢、活動量の低下、食物繊維摂取の低下、利尿薬などの薬剤で増悪する。センナ、ビサコジル、ラクツロースの投与が推奨される。
  • 眠気(経口モルヒネ服用者の20〜60%で生じ、用量依存性である)は、皮下投与への変更やオピオイドローテーションで改善する場合がある。
  • 軽度の認知障害(オピオイドの開始時・増量時に生じやすく、用量依存性である)は、ハロペリドールが治療薬として推奨されるが、オピオイドローテーションで改善する可能性がある。

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