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がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2010年版)

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2章 背景知識
8 薬物療法以外の疼痛治療法
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経皮的椎体形成術(骨セメント)
 本項は日本インターベンショナルラジオロジー学会に依頼して作成したものである。
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痛みの原因の評価
 経皮的椎体形成術は、椎体骨の脆弱化した部位に画像誘導下に経皮的に針を刺入し、骨セメント製剤を注入することにより、椎体骨の脆弱さを補強する治療法である。1984年にフランスから報告されて以降、1990年代に急速に普及し、現在は欧米を中心に骨粗しょう症の治療法の一つとして広く行われている。
 その原理は、骨セメント製剤の注入により骨を補強し、荷重による椎体骨の変形(きしみ)を抑制して、荷重時の痛みを緩和するものである。この他にも、骨セメント製剤の凝固時の発熱や化学毒性による直接的な抗腫瘍効果の可能性も指摘されているが、詳細は明らかになっていない。このため、骨粗しょう症に限らず、原発性あるいは転移性腫瘍により椎体骨が脆弱化した場合にも、同様の原理で痛みを緩和することが可能であり、がん疼痛としての椎体骨の腫瘍性疼痛に対する治療法として活用されている。

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