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がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2010年版)

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2章 背景知識
4 薬理学的知識
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非オピオイド鎮痛薬
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アセトアミノフェン
1. 薬理学的特徴
 アセトアミノフェンはアスピリンと同等の鎮痛、解熱作用をもつ有用な薬物であるが、抗炎症作用は非常に弱いと考えられている。消化管、腎機能、血小板機能に対する影響は少ないと考えられ、これらの障害でNSAIDsが使用しにくい場合にも用いることができる。
2. 用法・用量
 欧米およびアジアの一部ではがん疼痛に対して使用されるアセトアミノフェンの経口投与量は、1回650mgを4時間ごと、または1,000mgを6時間ごと、1日最大量は4,000mg/日である。これらの経口投与量では、肝細胞壊死は起こりにくいとされている。本邦では2,400mg〜4,000mg/日程度が妥当な鎮痛量であり、肝機能障害に注意しながら4,000mg/日まで増量が可能だと考えられている。また投与は1日4 回程度に分けて行い、1回投与量が1,000mgを超えないようにする。
3. 副作用
 一般的な投与量では副作用は起こりにくいが、まれに皮膚粘膜眼症候群皮疹、その他のアレルギー症状、過敏症状、肝機能障害、黄疸などが起こる。また、顆粒球減少症の報告例がある。最も重篤な急性の副作用は、過剰投与による肝細胞壊死である。成人では、1回に150〜250mg/kg 以上のアセトアミノフェンを経口投与すると肝細胞壊死が起こるとされており、アルコール常用者はそのリスクが高まる。アセトアミノフェン過剰摂取時の解毒にはアセチルシステインが使用される。
(龍 恵美、伊東俊雅)

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