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がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2010年版)

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2章 背景知識
3 WHO方式がん疼痛治療法
4
WHO方式がん疼痛治療法の有効性と課題
 WHO方式がん疼痛治療法は、公表から20年以上が経過しており、各国のフィールド調査で70〜80%以上の鎮痛効果が得られている。これは、オピオイドの定期投与、レスキュー・ドーズによる突出痛への対応、十分な副作用対策、適切な鎮痛補助薬の使用、および、患者教育などの複合的な支援が適切に行われれば、がん疼痛を緩和することが可能であることを示している。
 一方、近年、WHO方式がん疼痛治療法そのものは厳密な無作為化比較試験など科学的な検証を得たものではないことから、異なる枠組みの疼痛ガイドラインも提案されている。また、WHO方式がん疼痛治療法に含まれる推奨のいくつか(除痛ラダー二段階目の必要性、経口投与の優先など)については、再検討が必要であるとする意見がある。
 本ガイドラインでは、WHO方式がん疼痛治療法は今後検証されるべき部分を含んではいるが、がん疼痛の緩和治療において指針となる重要な役割を有していると考える。
(長 美鈴、林 章敏)
【参考文献】
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World Health Organization. Cancer Pain Relief, 2nd ed, World Health Organization, Geneva, 1996(世界保健機構 編. がんの痛みからの解放, 第2 版, 東京, 金原出版, 1997)
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3)
Mercadante S. Pain treatment and outcomes for patients with advanced cancer who receive followup care at home. Cancer 1999; 8: 1849-58
4)
Azevedo São Leão Ferreira K, Kimura M, Jacobsen Teixeira M. The WHO analgesic ladder for cancer pain control, twenty years of use. How much pain relief does one get from using it? Support Care Cancer 2006; 14: 1086-93
5)
National Comprehensive Cancer Network: NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology. Adult cancer pain. http://www.nccn.org/professionals/physician_gls/PDF/pain.pdf

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