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がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2010年版)

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2章 背景知識
3 WHO方式がん疼痛治療法
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WHO方式がん疼痛治療法とは
 がん疼痛治療の成績向上を目指して作成された「WHO方式がん疼痛治療法」を普及するために、「がんの痛みからの解放」の第1版が1986年に、そして第2版が1996年にWHO(世界保健機構)から出版された。
 「WHO方式がん疼痛治療法」が作成された意図は、全世界のあらゆる国に存在するがん患者を痛みから解放することである。これは、貧しい国でも、医療が十分に行き渡っていない国でも、痛みに苦しんでいるがん患者が存在するため、誰にでもできる疼痛治療法を普及させる、ということを意味する。その後、世界各国で翻訳されており、がん患者を痛みから解放することに貢献している。以下の記述は1996年に発表されたWHO方式に準拠する。
 WHO方式がん疼痛治療法とは、次の6項目から構成される治療戦略であり、緩和ケアの中の一要素としてがんの痛みのマネジメントを実践すべきであるとされている。
チームアプローチによる、がん患者の痛みの診断とマネジメントの重要性
詳細な問診、診察、画像診断などによる痛みの原因、部位、症状の十分な把握の必要性
痛みの治療における患者の心理的、社会的およびスピリチュアルな側面への配慮と患者への説明の重要性
症状や病態に応じた薬物または非薬物療法の選択
段階的な治療目標の設定
臨床薬理学に基づいた鎮痛薬の使用法

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