C-8
タイトル(日本語) ターミナル患者に対する輸液:イスラエルのターミナル患者、家族、医療者の態度は?
タイトル(英 語) Intravenous Hydration for Terminal Patients: What Are the Attitudes of Israeli Terminal Patients, Their Families, and Their Health Professionals?
著者名 Musgrave CF, Bartal N, Opstad N
雑誌名,巻:頁 J Pain Symptom Manage. 1996; 12: 47-51
目 的

・終末期輸液(IV)に関する患者、医師、看護師、家族/友人の態度を明確にする。
・意思決定プロセスにおける、看護師、家族/友人、患者自身の関与状況を明確にする。

研究デザイン 横断研究(ただしパイロットスタディの位置付け)
エビデンスレベル not applicable
治療環境・施設名 イスラエルの大学病院1施設・成人オンコロジー病棟
対象患者

患者:調査病棟の看護師と医師の判断で、予後10日以内、IVを開始した/している? 33名
年齢: 記載なし 性別:記載なし 原発部位:乳癌42%、尿生殖器18%、肺癌9%、その他30%
生命予後:10日以内死亡91%、14日以内死亡3%、30日以内死亡3%、退院3%
全身状態(PS、体重減少、悪液質など):記載なし 
病態:転移 骨52%、肺24%、肝24%、脳12%
*家族32名、看護師33名、医師の背景の記載はなし

介 入

なし

主要評価項目(定義)・
統計学的手法
1.

患者、その家族または友人、看護師に対して:輸液の開始決定に関与したか?(はい、いいえで回答)その後、輸液に対するあなたの態度は?と質問。(患者、家族/友人の面接は患者を担当している看護師によって一回実施)

2.

医師に対して:患者が研究参加した時点で、輸液を開始した理由は何か? 
その後毎日、輸液を継続する理由は何か?(死亡/転医/転棟するまで質問)

3.

輸液開始についての理由や態度の分析:2名の研究者で、100%の一致をはかり、カテゴリー化した。輸液に対する態度の供述は、患者にとって有益と表現された場合“肯定的”、有害と表現された場合“否定的”、どちらともいえないと表現された場合“どちらともいえない”に分類した。

結 果

輸液開始時の意思決定に関与: 患者1名(3%)、家族4名(13%)、看護師11名(33%)であった。12名(36%)の患者は意識不明であった。

輸液に対する態度:回答のできた患者10名(30%)、うち7名(21%)が肯定的であった。家族26名(81%)、看護師25名(71%)が肯定的であった。

輸液開始の理由:全216回答中、薬物療法(23%)、水分投与(22%)、モルヒネ投与(16%)、症状コントロール:嘔吐、疼痛、呼吸苦など(12%)、栄養補給(11%)、その他:電解質の不均衡、他院で開始された、何かをすること、家族の要望、以前の肯定的な経験、不安の軽減であった。(全回答中、医師51%、看護師18%、家族18%、患者5%)。

結 論 輸液開始決定に関与していた意識清明の患者、家族/友人、看護師は少なかったが、輸液に対する態度は全体に肯定的であった。輸液開始理由としては、薬物療法、水分補給、モルヒネ投与が多く、口渇の緩和は表現されなかった。
コメント 死亡前10日以内であり、患者の意思は確認できない。また患者の身体状態や症状も不明であるため、その解釈には困難な点がある。しかし、イスラエルの研究ではあるが、日本の臨床現場での意思決定の様相と似た結果を表す調査であると考える。
作成者 長谷川久巳