C-5
タイトル(日本語) 延命治療に対する日本人と日系アメリカ人医師の態度
タイトル(英 語) Attitudes of Japanese and Japanese-American physicians towards life-sustaining treatment.
著者名 Asai A, Fukuhara S, Lo B
雑誌名,巻:頁 Lancet. 1995; 346: 356-59.
目 的

日本人医師が終末期成人がん患者に推奨する介入と、同じ状況で自分自身にどの介入を望むかを調査する。米国の日系アメリカ人医師に同じ調査を行い、日本人医師と比較する。

研究デザイン 横断研究
エビデンスレベル Not applicable
治療環境・施設名

日本:大学病院6施設と地域病院3施設。終末期成人がん患者の診療を行う全科。
米国:日系アメリカ人の多い12都市の内科、家庭医、一般医。

対象患者

回答者数(回答率):日本人医師136名(71%)、日系アメリカ人医師77名(45%) 
年齢(日本、日系米の順 以下同様):平均36.8(±9.7)歳、45.7(±14.2)歳
性別:男性85%、79%
診療科:一般42%、79% 内科36%、21% 外科11%、0%
臨床経験:平均11.3(±10.1)年、18.6(±14.3)年 信仰:77%、54%
過去6ヶ月のがん死亡患者診療経験:平均3.9(±5.7)人、4.7(±7.5)人
がん患者のDNR指示書記入経験:88%、92%
日米両国での医学教育経験:4%、6%

介 入

なし

主要評価項目(定義)・
統計学的手法
仮想症例(終末期胃癌患者、65歳、ビジネスマン、転移あり。寝たきりだが、意思決定能力あり、推定予後1ヶ月)を提示し、下記1)〜3)において生命維持介入(消化管出血時の輸血、血圧低下時の昇圧剤、栄養不良に対する高カロリー輸液、心停止時のCPR)を推奨するか尋ねた。
1)患者が診断・予後を知らされていない場合
2)患者が診断・予後を知っている場合
3)自分自身(対象医師)が同じ状況下でしてほしいと思う治療
日本人医師と日系アメリカ人医師との比較:χ2検定、Wilcoxonの符号付順位和検定、t検定、対応のあるカテゴリカルデータについてはマクネマー検定を用いた。
介入推奨の決定に関連する要因:ロジスティック回帰分析を用いた。
結 果

仮想症例での高カロリー輸液について以下の結果が示された。

1)の場合:日本人医師の67.5%、日系アメリカ人医師の33%が推奨した(有意差あり)。
2)の場合:日本人医師の57.4%、日系アメリカ人医師の11%が推奨した(有意差あり)。
多変量解析の結果、診断や予後を知らない患者に対して、日本人医師のほうが日系アメリカ人医師より推奨した(OR=3.0, 95%CI 1.5-5.9)。また、日本人医師と日系アメリカ人医師で、信仰を持つ者(0.40, 0.19-0.85)、1人以上の終末期がん患者を担当した者(0.91, 0.84-0.99)の方が、推奨しなかった

自分自身が転移のある終末期癌と仮定した場合、日本人医師では36.0%が高カロリー輸液を推奨したのに対し、日系アメリカ人医師では5%と有意に少なかった

結 論 終末期がん患者への高カロリー輸液の実施について、日本人医師の方が日系アメリカ人医師に比べて推奨する傾向がある。
コメント 日系アメリカ人医師の回答率が低く、結果を一般化することは難しい。
作成者 戸谷美紀