C-18
タイトル(日本語) 終末期患者の栄養ケアに関する家族の信念:質的研究
タイトル(英 語) Family Beliefs Regarding the Nutritional Care of a Terminally Ill Relative: A Qualitative Study.
著者名 McClement SE, Degner LF, Harlos MS
雑誌名,巻:頁 J Palliat Med. 2003; 6:737-748
目 的

家族、患者、医療者の意識調査を通じて、終末期患者の栄養ケアをめぐる家族介護者の信念や行動(患者・医療者とのやりとり)の概念的なモデルを開発する。

研究デザイン 質的研究(グラウンデッドセオリー法;半構造化面接)
エビデンスレベル Not applicable
治療環境・施設名

緩和ケア病棟(National Cancer Institute, Milan, Italy, 4床):単施設

対象患者

例数:緩和ケア病棟の入院患者13名と入院患者の家族13名
例数:調査前1年間に緩和ケア病棟で亡くなった患者の遺族10名
例数:緩和ケア病棟に勤務する医療者11名
以下は患者と家族についてのみ記す。
年齢:【患者】31〜50歳1名、51〜65歳3名、65歳以上9名
年齢:【家族】31〜50歳6名、51〜65歳3名、65歳以上4名
性別:【患者】男性3名、女性10名
性別:【家族】男性1名、女性12名(娘8、配偶者2、兄弟、親、義理の娘 各1)
原疾患(例数):大腸がん4、喉頭がん3、肺がん2、脳腫瘍、乳がん、腎がん、胃がん各1 

介 入

なし

主要評価項目(定義)・
統計学的手法

終末期における栄養ケアについて調査参加者(患者、家族、遺族、医療者)のin-depth半構造化面接。
継続的比較法で分析。

結 果

(結果の記述では、家族に焦点をあてている)
悪液質と食欲不振により死にゆく患者に対する家族の反応には顕著な多様性が見られたが、そこには「最善を尽くす」という全体を統括するテーマ(core category)があった。これは以下のsubprocessesから成る:
1)反撃する:経口摂取量低下を「自然の成り行き」「死にゆくプロセスの一部」と捉えず、カロリー摂取により病状進行を食い止められる、あるいは逆転させられると考えている。患者に経口摂取を強いることから、それに対して患者からは怒りの表出がみられた。
2)自然の成り行きに任せる:患者の経口摂取にとらわれるのではなく、身体ケアに参加したり、ベッドサイドに付き添うなど、その他のケアに移行する。経口摂取は患者の要望に任される。患者の病状進行の理由が栄養摂取だけではなく多くの要因があることが理解されている。患者からの評価は高かった。
3)どっちつかず:患者の経口摂取不良が自然の経過であるという考え方と、自分達の努力で何とかできるものという考え方の間で折り合いがつかず、どうしたらいいのかわからない。結果的には栄養摂取を増やすことは益でもあり害でもあるというところに落ち着こうとする。

結 論 終末期のがん入院患者の栄養ケアについて、患者の家族はその目的や方法をどのようにとらえ、また家族として関わるケアへどのように結びつけて考えているかという概念モデルを展開した。
コメント 終末期患者の栄養摂取とそれに対するケアをめぐる患者家族(遺族)とそこに関わる医療スタッフの見解をまとめ、終末期における栄養摂取をめぐり展開するジレンマに対する理解を深めることを目的にした論文。
作成者 栗原幸江