C-14
タイトル(日本語) 台湾における終末期がん患者の栄養と輸液
タイトル(英 語) Nutrition and hydration for terminal cancer patients in Taiwan.
著者名 Chiu TY, Hu WY, Chuang RB, et al
雑誌名,巻:頁 Support Care Cancer. 2002; 10: 630-6
目 的

終末期がん患者の経口摂取不可となる頻度と原因を調査し、人工栄養と輸液の頻度、内容、倫理性を明らかにする。

研究デザイン コホート研究
エビデンスレベル Not applicable
治療環境・施設名

緩和ケア病棟(Palliative Care Unit of National Taiwan University Hospital):単施設

対象患者

2000年1月〜2001年2月の全入院患者中、治癒的治療に反応しないと判定された進行がん患者。
例数:344 年齢:62±16 性別(男):55%
原疾患:肺22%、肝17%、結腸直腸11%、胃8%、頭頚部7%、膵6%
生命予後:平均生存日数24±30(死亡者は319例)
全身状態:記載なし 病態:記載なし 治療環境:緩和ケア病棟 他:

介 入

なし

主要評価項目(定義)・
統計学的手法

入院日、入院1週間後、死亡48時間前の3時点で評価(記録は毎日行い、週毎にチームで評価)
飲水または食事の摂取可否(少量でも摂取できる場合は可能と定義)
人工栄養または輸液(ANH)実施の有無、方法、倫理的適切性(スタッフの判断:適切 容認できる 不適切)
入院日と他2時点での経口摂取状況、輸液量をマクネマー検定、対応のあるt検定で比較。
COX回帰で入院時、1週間後の輸液が生存期間と関連するか検討(共変量は性年齢、原発部位、症状[倦怠感、疼痛、錯乱(confusion)]、経口摂取可否、ANHの実施)

結 果

経口摂取不可 入院時39% 1週後39% 死亡前 60%(P<0.001)
※入院時と1週後両方測定されている例では32% vs 39%(P<0.001)
※入院時と死亡前両方測定されている例では41% vs 60%(P<0.001)
理由(複数選択)入院時 消化管障害59% 1週後 消化管障害56% 
理由(複数選択)死亡前 倦怠感・食欲不振など全身症状43%
ANH      入院時57% 1週後47% 死亡前53%
※ 入院時と1週後両方測定されている例では58% vs 47%(P<0.001)
ANHの内容(複数選択)
経管栄養・・・入院時13% 1週後13%(P<0.05)死亡前13%
補液・電解質入院時45% 1週後37%(P<0.05)死亡前43%
ブドウ糖・・・入院時37% 1週後32%(P<0.05)死亡前39%
他(Alb,amino,intrafat等) 入院時19%  1週後15% 死亡前18%
輸液量 入院時862±618 1週後714±528(P<0.001) 死亡前637±4(P<0.001)
COX回帰の結果 入院時、1週間後の輸液は生存期間と関連しなかった。
(HR:0.88 95%CI:0.58-1.07;HR:1.03 95%CI:0.76-1.38)
ANH実施をスタッフが適切と判断(%) 入院時81 1週後85 死亡前85

結 論 丁寧なケアと継続的なコミュニケーションを行えばANHの使用は減るだろう。文化的特性と関連してか、輸液の方が人工栄養より減る傾向にあった。本研究ではANHの実施は生存期間に関連しなかった。終末期がん患者のケアの目標は単に水分と栄養の状態を改善することに尽力するのではなく、QOLの促進と死への準備に重点を移すべきである。
コメント
作成者 宮下光令