B-4
タイトル(日本語) 栄養障害のある結腸・直腸がん患者におけるエネルギー消費量
タイトル(英 語) Energy expenditure in malnourished patients with colorectal cancer.
著者名 Dempsey DT, Knox LS, Mullen JL, et al
雑誌名,巻:頁 Arch Surg. 1986; 121: 789-795
目 的 様々なStageにおける結腸・直腸がん患者におけるエネルギー消費を評価し、その決定因子を検討する。
研究デザイン Case Series
エビデンスレベル V
治療環境・施設名 ペンシルバニア大学病院:Hospital of the University of Pennsylvania, Philadelphia
対象患者

例数:73例 年齢:66.6±12.1歳 性別:男性:32例、女性41例
原疾患:結腸・直腸がん(生検による診断あり)
生命予後:予後因子(PS、体重減少、悪液質など):発病から8.0±13.9ヵ月
病態(消化管閉塞、悪液質など):敗血症なし、発熱なし、5日以内の手術施行なし、人工換気なし

介 入

なし

主要評価項目(定義)・
統計学的手法

間接熱量測定法(indirect calorimetry)により安静時エネルギー消費量(REE : resting energy expenditure)を測定し、Harris-Benedict法による予測基礎代謝量(PEE : predicted energy expenditure)と比較検討した。
分散分析、カイ2乗検定、Student's t test

結 果

49%の患者で安静時エネルギー消費量(REE)が異常値を示した(正常値=予測エネルギー消費量(PEE)±10%)。27%の患者で低代謝状態(REE<90%PEE)であった。

この異常値は、metabolic body size(kg0.75)による補正や体重・身長・年齢・性別による影響を考慮しても、正常範囲内とはいえないものであった。また、体重や血清アルブミン値とREEとの間には相関が認められなかった。

体重減少率や内臓蛋白レベルで判断する栄養状態は、REEの低代謝群、正常群、高代謝群において差を認めなかった。また、その3群と腫瘍の進行度との間にも関連を認めなかった。
罹病期間(中央値)は、正常群(37例)で4.5ヵ月、低代謝群(20例)で9.5ヵ月、高代謝群(16例)で14.2ヵ月であった
結 論

約半数の結腸・直腸がん患者で安静時エネルギー消費量が異常値であったが、低代謝群(27%)もあれば高代謝群(22%)もあった。

また、体重減少や内臓蛋白量などから判断した悪液質の程度と安静時エネルギー消費量との間にも、相関は認められなかった。また、腫瘍の進行度とも相関はなかった。

しかし、これまでの検討を考慮すると、腫瘍の原発部位と罹病期間はエネルギー消費量の重要な因子であると考えられた。
コメント 結腸・直腸がん患者のみの研究であるが、安静時エネルギー消費量からの検討では、一概に高代謝状態であるとはいえず、悪液質状態との関連も見出すこともできていない。
作成者 池永昌之