B-2
タイトル(日本語) 栄養サポートを受けている癌患者におけるエネルギーおよび組織代謝
タイトル(英 語) Energy and Tissue Metabolism in Patients With Cancer Dering Netritional Support.
著者名 Edstrom S, Bennegard K, Eden E, et al
雑誌名,巻:頁 Arch Otolaryngol. 1982; 108: 697-9
目 的 がん悪液質が主としてエネルギーの不足によって起こるのか、エネルギーの利用障害よって起こるのかを検討する。
研究デザイン 横断研究
エビデンスレベル 分析疫学的研究 IV
研究施設 The Department of Otolaryngology, Sahlgeren's Hospital, Sweden
対象患者

例数:癌患者26例(結腸:23%、胃:15%、肝:19%、膵臓:11%、食道:8%、精巣:4%、
例数:脳:4%、咽頭:4%、膀胱:8%、肉腫:4%)、非癌栄養不良患者12例(胃潰瘍:25%、
例数:慢性膵炎:25%、食道狭窄:8%、膵切除後:8%、純粋な栄養不良:33%)
年齢:癌患者 61+/-10、非癌患者 63+/-8
生命予後:不明、予後因子(PS、体重減少、悪液質など)PS1〜2、体重減少5〜20%(6ヶ月)、
生命予後:食事量の減少、発熱なし
病態(消化管閉塞、悪液質など):不明
治療環境:癌患者は未治療、全て入院下

介 入

一昼夜絶食後測定し、10から14日栄養補給(TPN、経管栄養)を受ける。

主要評価項目(定義)・
統計学的手法

Energy expenditure, Body Weight (BW), Body Weight Index (BWI), Total Body Potassium (TBP), Glucose Turnover, Protein Metabolism

結 果 全ての患者でBW、BWI、TBPの増加を認めた。癌患者も非癌患者も安静時エネルギー消費量に差はなかった。エネルギーバランスは全ての患者で当初マイナスかゼロに近い値であったが、栄養補給によって著しくプラスに転じた。癌患者において始め組織内の糖の代謝は非癌患者よりも増加していたが、経管栄養によりさらに2倍に増加した。非癌患者のそれは76%の増加にすぎなかった。癌、非癌患者における血清中の糖や乳糖の濃度に差はなかった。癌患者の安静代謝時における糖代謝は栄養補給によって著明に増加した。たんぱく質の合成は癌、非癌の両者において栄養補給前は栄養補給中に比して低下していた。
結 論 癌の初期において悪性のるいそうは相対的エネルギー不足によって起こるもので宿主のエネルギー利用障害によっておこるものではない。
コメント 癌患者、非癌患者の組織内糖代謝や安静時エネルギー代謝における糖の代謝が変わらないことをみると癌患者におけるエネルギー消費が亢進していないと考えられるが、対象の病期等によって変化してくる可能性もあり一義的に考えるわけにはいかないと思われる。
作成者 小西 太