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タイトル(日本語)

悪液質状態にない肉腫患者の安静時エネルギー消費量とbody cell massの変化

タイトル(英 語) Resting energy expenditure and body cell mass alterations in noncachectic patients with sarcomas.
著者名 Peacock JL, Inculet RI, Corsey R, et al
雑誌名,巻:頁 Surgery. 1987; 102: 465-472
目 的

腫瘍の増殖とがん悪液質に伴う種々の代謝障害との関連性について検討するため、悪液質状態でない肉腫患者の安静時エネルギー消費量とbody cell massの変化を健常人と比較検討

研究デザイン 分析疫学的研究
エビデンスレベル IV
治療環境・施設名 National Cancer Institute, Bethesda, USA
対象患者

例数:健常ボランティア(control)群:13名(男性6名、女性7名)
例数:悪液質状態にない肉腫患者群:7名(すべて男性)
年齢:control群男性:35±7歳、control群女性:36.4±4.5歳、肉腫患者群:45±6歳
原疾患:体幹または四肢に局在する大きな肉腫で手術術前14日以内、臨床的に悪液質を認めず、
原疾患:転移もなく、前治療もなく、食事摂取量の減少や体重減少のない患者。

介 入 なし
主要評価項目(定義)・
統計学的手法

安静時エネルギー消費量(間接熱量測定法)、Body Cell Mass: BCM(K40による分析)、体脂肪量(身体計測法)、身体的活動度、栄養状態(身長、体重および経口摂取量)
肉腫のデータは男性のcontrol 群と比較検討
Wilcoxon順位和検定を施行

結 果

肉腫患者群での%体脂肪量はコントロール群と差がなかったが、%BCM(BCM/体重)はほぼ20%低下していた。

腫瘍の大きさと、REEおよびBCMには相関は無かった。

肉腫患者群の体表面積で補正した安静時エネルギー消費量は、コントロール群に比べて25%増加していた。また、BCMで補正した場合43%以上の増加を示した。
安静時エネルギー消費量/体表面積比と%BCMに負の相関関係が認められたが、コントロール群では認められなかった。
結 論

肉腫の患者では、悪液質状態が顕在化する前に、安静時エネルギー消費量が増加することが判明した。この事実は、肉腫組織自体が、宿主のエネルギー代謝を変化させ、その結果、身体成分が変わることを示す有力な証拠である。

コメント がん悪液質では種々の代謝障害を伴っていることはよく知られているが、その起点となる原因は明らかではない。食欲不振による栄養障害が代謝障害を引き起こすとの報告もある。しかし、筆者はこの代謝障害が悪液質のない時点ですでに認められていることを指摘し、腫瘍そのものが代謝障害を引き起こしている可能性を示唆している。
作成者 池永昌之