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タイトル(日本語)

健常コントロール群と限局性または非限局性がん患者群の安静時エネルギー消費量

タイトル(英 語) Resting energy expenditure in controls and cancer patients with localized and diffuse disease.
著者名 Arbeit JM, Lees DE, Corsey R, et al
雑誌名,巻:頁 Ann Surg. 1984; 199: 292-298
目 的

限局性がん患者群、非限局性がん患者群と健常コントロール群の安静時エネルギー消費量を比較し、がんの及ぼす影響を検討する。また、手術前・後の影響も検討する。

研究デザイン Case Series
エビデンスレベル V
治療環境・施設名 The Clinical Center, National Institutes of Health
対象患者

例数:健常ボランティアcontrol:11例(男性9例、女性2例、年齢:36.1±12.3歳)
例数:限局性がん患者:9例(男性6例、女性3例、年齢:43.0±16.1歳)
例数:非限局性がん患者:4例(男性3例、女性1例、年齢:39.0±14.3歳)
原疾患:骨肉腫:3例、分類不能肉腫:2例、滑膜肉腫:2例、その他:6例
予後因子(PS、体重減少、悪液質など):歩行可能、3週間以内の化学療法施行なし、10日以内の手術施行なし

介 入 なし
主要評価項目(定義)・
統計学的手法

安静時エネルギー消費量、栄養学的パラメーター、エネルギー基質(glucose, lactate, TG)およびホルモン(cortisol, insulin)
Student's t test for unpaired and paired data, Chi square methods

結 果

非限局性がん患者群はcontrol群に比べて、病前からの体重減少率(15.4±7.0%)、上腕筋周囲径の減少(21.9±2.1 vs 26.2±3.5cm)、血清アルブミン値(3.6±0.6 vs 4.4±0.2)、総リンパ球数(1024±613 vs 1796±495cells/mm3)、クレアチニン・身長指数(0.68±0.16 vs 1.18±0.37)に有意な変化がみられた。

また、がん患者の両群ともcontrol群に比べて、安静時エネルギー消費量(REE)が有意に増加(非限局性がん:25.6±3.7、限局性がん:21.4±3.7 vs control:18.1±2.9kcal/kg/d)していた。しかし、REEはmetabolic body sizeで補正すると、有意な差は非限局性がん患者群とcontrol群の間しか認められなかった(71.8±16.4 vs 53.9±8.1kcal/kg3/4/d)。

病前からの体重減少率とREE増加の間には相関が認められた。また、すべての患者において、手術後にはREEが低下しており、それは腫瘍の大きさと相関していた。
結 論

今回の研究は単一で限定された調査群の検討ではあるが、担がん状態ではある程度の栄養的・代謝的な影響が患者にあり、それは腫瘍の広がり(限局性か非限局性か)と相関することが確認された。また、手術により腫瘍を摘出すると、患者の代謝状態は変化することも示された。

コメント エネルギー代謝の変化は悪液質にともなって出現すると考えられるが、飢餓時の反応とは異なり、また敗血症や火傷によるものに比べて少ないことが示されている。
作成者 池永昌之