A-8
タイトル(日本語) 婦人科領域の悪性腫瘍患者に対する在宅中心静脈栄養(HPN)の評価:10年の経験で何を学んだか?
タイトル(英 語) Outcome assessment of home parenteral nutrition in patients with gynecologic malignancies: what have we learned in a decade of experience?
著者名 King LA, Carson LF, Konstantinides N, et al
雑誌名,巻:頁 Gynecol Oncol. 1993; 51: 377-82
目 的 HPNが栄養指標、生存期間、QOLを改善させたかを検討する。
研究デザイン Case series
エビデンスレベル V
治療環境・施設名 John L. McKelvey Tumor Registry, CHAMP Home Care Program, University of Minnesota Hospital and Clinics, USA
対象患者

例数:61例 年齢:55歳
原疾患:卵巣56、子宮頸部25%、子宮体部15%、外陰部3%、膣1%
全身状態:Karnofsky PS:平均48;生存期間:平均168日,中央値60日(2-780)。生命表法中央値60日
病態:消化管閉塞72%、短腸症候群・放射線性腸炎18%

介 入 ・高カロリー輸液を夜間施行
・併用治療:化学療法51%、外科治療23%、放射線治療12%
主要評価項目(定義)・
統計学的手法

研究者がカルテ記載・患者・家族・医療者のインタビューをもとに、栄養指標(体重,アルブミン,トランスフェリン)、生存期間、Karnofsky score、QOL指標(活動度、疼痛、消化器症状、吐気・嘔吐、倦怠感、下痢、意欲、社会活動)を記録した。

QOL指標は1:なし〜5:重度で評価した。
Wilcoxon matched-pairs signed-ranks test
結 果

HPN施行例は、1ヶ月後50例だったが、3ヶ月後には18例に減少した。

栄養指標は、初期に改善したが、死亡前には徐々に悪化した(データ詳細なし)。1ヶ月後の体重、アルブミン、トランスフェリンは、それぞれ、55±14kg, 2.5±0.6g/dL, 149±48mg/dLから、57±12kg, 2.4±0.6mg/dL, 149±61mg/dLであった。1ヶ月より長くHPNを施行している症例では栄養指標は有意に改善した。

QOL指標は、消化器症状、吐気・嘔吐、倦怠感、意欲、社会活動が有意に改善した(e.g., 嘔気・嘔吐:3.2→2.7、倦怠感3.4→3.0)。sKarnofsky score40以上の症例がとくに改善した(データなし)。Karnofsky score,活動度,疼痛は有意な変化がなかった。

結 論 婦人科悪性腫瘍患者に対するHPNは、すべての患者に適応とはならないが、QOLを改善しうる。治療選択は、各患者と医師が相談して決定するべきである。
コメント 進対照群はない、HPNと癌治療が平行して行われた、短腸症候群など癌性腹膜炎による消化管閉塞以外の病態が含まれている、症状評価は後向きで信頼性・妥当性は保証されていない。
作成者 田村洋一郎