A-33
タイトル(日本語) 終末期せん妄に対するオピオイド代替と輸液の関係
タイトル(英 語) Agitated Terminal Delirium and Association with Partial Opioid Substitution and Hydration.
著者名 Morita T, Tei Y, Inoue S
雑誌名,巻:頁 SJ Palliat Med. 2003; 6: 557-563
目 的 輸液とオピイオドローテーションにより、死亡前1週間のせん妄の発生率が減少したかを確認する。
研究デザイン Historical control study(症状評価は後向き)
エビデンスレベル V
治療環境・施設名 緩和ケア病棟、聖隷三方原病院、日本
対象患者

例数:対照群(輸液とオピオイドローテーションを積極的に行わなかった時期)164例、
例数:介入群(積極的に行った時期)120例
年齢:64±14 vs 63±13歳 性別:男性 57% vs 59%
原疾患:肺22%;6%、胃20%;15%、大腸11%;7.5%、膵臓、直腸、他

介 入

体液過剰症状が許容できる範囲での輸液、モルヒネからフェンタニールへのオピオイドローテーション。

主要評価項目(定義)・
統計学的手法

両群における以下の比較:過活動型せん妄の頻度(Memorial Delirium Assessment Scheduleのitem9≧2)、重症の過活動型せん妄の頻度(Memorial Delirium Assessment Scheduleのitem9≧3)、不隠スコア(Agitation Distress Scaleの2項目からad-hocに設定)、明確なコミュニケーションができるか(Communication Capacity Scaleの1項目で評価)、抗精神病薬使用率、間欠的深い鎮静の施行率、持続的深い鎮静の施行率。

結 果

輸液率は介入群で有意に増加したが増加幅は小さかった(33% vs 44%)。オピオイドローテーション施行率は介入群で有意に増加した(3% vs 41%)が、モルヒネの使用率・量・高用量モルヒネの使用率は両群で変わらなかった。

持続的深い鎮静施行率は介入群で有意に減少した(23% vs 10%)。このほかのアウトカム指標に両群で有意差は認めなかった。
結 論

中等量の輸液投与とモルヒネからフェンタニールへの部分的なオピオイドローテーションによってせん妄の発生率を低下させることはできなかった。

輸液率が上がらなかった理由は体液過剰症の悪化、モルヒネの使用率が低下しなかった理由はフェンタニール単独で鎮痛でできなかったためと推測する。
コメント
作成者 瀧川千鶴子