A-31
タイトル(日本語) 終末期がん患者への輸液療法による満足度:概念構築、尺度開発、寄与因子の同定
タイトル(英 語) Satisfaction with rehydration therapy for terminally ill cancer patients: concept construction, scale development, and identification of contributing factors.
著者名 Morita T, Adachi I
雑誌名,巻:頁 Support Care Cancer. 2002; 10: 44-50
目 的 輸液治療による患者満足度を評価する尺度の有効性を確認する。
研究デザイン 横断研究
エビデンスレベル IV
研究施設 総合病院4施設、がんセンター2施設、緩和ケア病棟7施設, 日本
対象患者

例数:173例 年齢:平均63±13歳 性別:男性55%
原疾患:胃癌20%、膵癌13%、肺癌12%、乳癌8.1%、胆管癌8.1%、大腸癌6.9%、
原疾患:直腸癌6.9%、食道癌5.2%、頸部癌5.2%、肝臓4.0%、子宮癌2.3%、前立腺癌1.7%、
原疾患:卵巣癌1.7%、原発不明癌1.2%、他3.5%
全身状態:Performance status 0:1.7%、1:12%、2:27%、3:38%、4:22%
病態:治癒不可能な癌患者で積極的抗癌治療を受けていない輸液治療中の患者。

介 入

平均輸液量1108±545ml/日

主要評価項目(定義)・
統計学的手法

輸液の満足度に関する質問表に患者が自己記入する合計5回の横断調査。

Development:各項目得点と満足度との相関、因子分析。

Validation:内部均一性信頼度(Cronbachのα係数)、構成概念妥当性(確証的因子分析)、収束性妥当性・識別妥当性(満足度との相関)、検査−再検査信頼性(ICC)。

寄与因子:背景の違う患者の満足度下位尺度を比較。
結 果

12項目尺度全体のCronbachのα係数は0.73、下位尺度は0.73から0.83であった。情報提供、日常生活の障害、治療効果の3つの下位尺度の適合性は、GFI=0.903、CFI=0.950、RMSEA=0.065であった。評価尺度の総得点は、満足度と相関した(ρ=0.53、P<0.01)。再試験法のICCは0.78であった。

情報提供にたいする満足度は、治癒不可能であることが説明されている、医師と1日15分以上診察機会がある、医師1名あたり受け持ち患者数が7名以下の患者で高かった。日常生活への障害の満足度は、プライマリー看護師がおり、悪液質のない患者で高かった。治療効果への満足度は、医師と1日15分以上診察機会がある、体液貯留症状がない患者で高かった。
結 論 信頼性、妥当性のある輸液療法への満足度の評価尺度が開発された。
コメント 治療効果の評価は探索的。
作成者 林 章敏