A-27
タイトル(日本語) 終末期がん患者におけるのどの渇きの決定因子
タイトル(英 語) Determinants of the sensation of thirst in terminally ill cancer patients.
著者名 Morita T Tei Y Tsunoda J, Inoue S Chihara S
雑誌名,巻:頁 Support Care Cancer. 2000; 8:188-191
目 的 終末期がん患者ののどの乾きと医学的因子との関連を調べる。
研究デザイン 横断研究
エビデンスレベル IV
治療環境・施設名 緩和ケア病棟、聖隷三方原病院、日本
対象患者

例数:88例 年齢:61±14歳 性別:男性38例、女性50例
原疾患:肺癌22%、胃癌18%、膵癌9%、直腸9%、乳癌9%、結腸癌7%、卵巣癌6%、尿路癌6%、
原疾患:肝癌3%、子宮癌3%、食道癌2%、頸部癌2%、他1%
全身状態:生命予後が6ヶ月以内と考えられる患者、
全身状態:実際の予後(中央値):32日;Palliative Performance Scale≦20 8%

介 入

40%の症例で平均2000ml/48時間(100-4000)の輸液

主要評価項目(定義)・
統計学的手法

のどの乾きをVAS(0-10)で患者が評価。

のどの渇きのVAS得点、重度なのどの渇き(VAS≧8)の決定要因を多変量解析で同定。
脱水の定義は、ANP≦15以下、または、Ellershawの定義の脱水(BUN≧12mmol/l, Creatinine≧130μmol/l,Na>149mmol/lまたは浸透圧>295msom/kg)。高浸透圧状態は>300msom/kg。
重度なのどの渇きの臨床的原因についてチャートレビュー。
結 果

のどの渇きのVASと総蛋白、BUN、Creatinine、Na、浸透圧、ヘマトクリット、ANPとの線形相関はない。

単変量解析で、のどの渇きのVAS得点と有意に関連したのは、ANPで定義した脱水、高浸透圧状態、消化器癌、生存日数、PS、経口摂取、嘔気、口内炎の有無であった。Ellershawの脱水の有無とは関連しなかった。

多変量解析では、ANPで定義した脱水、高浸透圧状態、PS、経口摂取、嘔気、口内炎が独立した寄与因子であった。

チャートレビューにおいて、さらに、口呼吸、オピオイドの使用が重度なのどの渇きのほかの主要な原因と考えられた。

胸水、腹水、浮腫のある患者とない患者において、ANP値に有意差はなかった。アルブミン値が、腹水、浮腫のある患者ではない患者に比して、有意に低かった。
結 論 のどの渇きは終末期がん患者においてよく見られる症状で、脱水、高浸透圧、全身状態不良、口内炎、口呼吸、オピオイドの使用と関係している。
コメント 健常者ののどの渇きとANPについては知られていたが、終末期がん患者においても、ANPレベルで定義した脱水を評価することで明快にのどの渇きとの関連性を示した。
作成者 池垣淳一